社会新報

専守防衛や非核3原則を消す ~ 問題の防衛省冊子を小学校に大量配布 ~ 福島党首らが政府を追及

防衛省を追及する福島党首とラサール参院議員(右)=8月29日。

 

 防衛省が子ども版防衛白書『まるわかり! 日本の防衛』を全国の小学校に配布している問題について、8月29日、参院議員会館で防衛・文科両省との交渉が行なわれた。社民党からは党首の福島みずほ参院議員、ラサール石井参院議員が出席し、各地の自治体議員も同席した。 

 防衛省によると、2021年度から冊子の作成が始まった。小学校に配布したのは24年度が最初。防衛省が都道府県教育委員会に相談し、調整が整った小学校約2400校に対して計約6100冊を送付したという。青森・秋田・栃木・長崎各県に配ったことは明らかにしたが、その他については、相手方との関係があり公表できないとした。
 冊子の中にはロシア・中国・北朝鮮を名指しして「日本が位置する地域は安全とはいえない」と説明する箇所や、ウクライナは抑止力不足のためにロシアに攻め込まれたとして、他国に対して日本を攻撃するのはやめておこうと思わせ戦争を起きないようにすることが自衛隊にとっての一番の勝利と記述する箇所がある。
 福島党首が、冊子の内容を了解しているのかと文科省に問うと、教育機関への資料配布を希望する団体は多数あり、判断は各自治体に委ねていると回答した。また、防衛省の冊子は授業の中で教材として使うものではなく、図書館に置いて閲覧に供するものだと認識していたという。しかし、防衛省が送付先の小学校に行なっているアンケートの中には活用実績に関する質問があり、「総合的な学習の時間に使用」との選択肢が設けられている。福島党首は、多様なルーツを持つ子どもたちがいる学校で、このような冊子を授業で用いるのは不適切とし、文科省は冊子の使われ方を確認すべきと求めた。
 また冊子には、25年度版から専守防衛・非核三原則に関する記述が削られ、代わりに自衛隊の生活やキャリアコースの記事が増えた。ラサール議員は、防衛省は記述が変わった経緯を説明すべきだと主張した。

 

問題となった防衛省の冊子。