社会新報

【臨時国会NEWSフラッシュ】生活実感のない首相所信表明演説を厳しく批判

首相の所信表明演説を批判する(右から)新垣、福島、大椿の各社民党国会議員(10月23日、参院内)。

立憲民主党の代表ら(右側)が社民党3役にあいさつのため。来訪(10月26日、参院内)。

じん肺キャラバンの請願を受ける福島党首と大椿副党首(左)=10月24日、参院の議員面会所前。

 

(社会新報11月9日号2面より)

 

生活実感ない所信表明

 岸田首相が10月23日、臨時国会の衆参両院本会議で所信表明演説を行なったことに対して、社民党の福島みずほ党首が同日、参院内で会見し、演説の無内容さを厳しく批判した。
 党首はその演説を「一言でいえば、『国民の生活実感かけ離れ演説』『小手先演説』、あるいは『お花畑演説』だ」と酷評した。「首相は経済状況が改善していると言ったが、首相の半径100㍍以内の人たちが改善していると感じたにすぎない。9割以上の人々は生活が苦しいと痛感している。首相の現状認識こそ変えなければならない」と強調。首相が掲げた「コストカット経済からの転換」について、「コストカット経済をやってきたのは自民党だ。まさに新自由主義、大企業の利潤追求を最優先にしてきた。その反省が全くない。『経済、経済、経済』というが、公平な税制の実現、労働法制の規制強化、公共サービスの復権、これらに必要な具体策が何もない」と指摘した。

立憲民主党代表らが来訪

 立憲民主党の泉健太代表らが10月26日、臨時国会の開会に伴い、社民党の福島みずほ代表ら三役にあいさつのため参院内の社民党控室を訪れた。泉代表は総選挙で野党議席の最大化を目指し、社民党とも連携し力を合わせたいと述べた。これに対して福島党首は岸田政権を倒すために協力しようと応じ、両党が連携を強化することを確認した。

じん肺被害の根絶を

 じん肺・アスベスト(石綿)被害の根絶を訴える「2023年(34回)なくせじん肺全国キャラバン国会請願デモ」が10月24日に行なわれた。数百人の参加者が日比谷公園から国会に向けて行進した。
 じん肺は、粉じんやアスベストを吸うことにより肺内で線維増殖が起こって、肺が固くなり、呼吸が困難になる疾患。炭鉱やトンネル、建設などで働く労働者に被害者が多い。国や企業に賠償を求めるじん肺訴訟は19件が係属中で、原告数は1482人(全国じん肺弁護団連絡会議の調べ)。
 衆参両院の議員面会所前で、キャラバン隊から国会議員にじん肺根絶を求める署名が手渡された。社民党の福島みずほ党首、大椿ゆうこ副党首の両参院議員が、デモ参加者に対して、被害者の救済制度の創設などに向けて全力を尽くす決意を表明し、激励した。