社会新報2022年6月22日号3面【主張】より
6月23日は、沖縄県の「慰霊の日」だ。沖縄戦で旧日本軍の組織的な戦闘が終わった日であり、沖縄県が日本の施政下に復帰した5月15日と並ぶ、戦後沖縄の原点ともされる日だ。
7月10日投開票の参議院通常選挙は、通常17日間の選挙期間から逆算すると6月23日公示となるが、1日繰り上げて22日に公示される。茂木敏充自民党幹事長は、「沖縄慰霊の日」と重なることを考慮したと明言した。
2016年の参院選で、同じ6月22日公示で計画され沖縄県の猛反発を受けて変更に追い込まれた経緯から学んだのであろう。同じく県民が猛反発する辺野古新基地建設や、日米地位協定改定の願いは一顧だにしないままだが、この程度の配慮はするようになったと言うべきか。
今回の参議院選は、社民党にとって、かつてない重要な選挙となる。あと一歩の前進を果たせなければ、比例得票2%以上(または所属国会議員5人以上)と定められている公職選挙法上の政党要件を失う。政党要件を失えば、衆院選で小選挙区と比例代表の重複立候補ができず、選挙区候補も政見放送が流せない。国政政党としての存続をかけたギリギリの選挙である。
参院選後は、衆院の解散がない限り、2025年の次期参院選まで丸3年、大きな国政選挙がない。今回の参院選で与党が勝てば(与党が)やりたい放題の「黄金の3年間」となると言われている。
これは社民党から見れば「地獄の3年間」ということだ。ウクライナ侵攻による不安に便乗した防衛力の大幅増強、敵基地攻撃能力の保有など専守防衛の空文化は、3年のうちに憲法9条改憲に行き着くだろう。
すでに日本維新の会と国民民主党は第208回国会終盤の内閣不信任案にも反対し、事実上の与党として振る舞っており、野党の分断は深い。
参院選の勝敗の鍵とされる32の1人区で、野党の共闘態勢が成立しているのは11にすぎず、内閣支持率は60%前後と高い。与党が「黄金の3年」を手にしつつあるように見える。
このような状況で、護憲を党是とする社民党が国会から消えるようなことがあってはならない。何としても踏みとどまって、改憲阻止の要として力を発揮したい。比例代表での得票率2%の必達にとどまらず、240万票・得票率4%、2議席を目指して全力で戦おう。
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