(社会新報2022年3月30日号2面より)
「核共有」の暴挙を許さない
■水岡俊一・立憲民主党参院議員会長
ロシアによるウクライナ侵略は国連憲章違反であり、戦後の世界秩序への挑戦だ。プーチン大統領は即時撤退すべき。あらためて平和の大切さを痛感している。
しかし、あろうことか、与党からは、「核共有」の議論を始めるべきとの意見が出始めている。世界で唯一の戦争被爆国である、わが国が国是としてきた非核三原則を揺るがす、このような暴挙を絶対に許すわけにはいかない。長年、平和憲法を大切にして闘ってきた社民党と連携して、危険な動きに歯止めをかけなければならない。さて今年の最大の政治決戦は、7月の参院選である。全国で32の1人区で、一人でも多く野党統一候補の必勝を目指し、野党間の候補者調整を進めていきたい。社民党には昨年衆院選に引き続き、格段の協力をお願いしたい。
↑水岡俊一さん
「軍事対軍事」の悪循環を断て
■志位和夫・日本共産党委員長
とりわけ力を合わせたいと願っているのは、憲法9条改悪を許さないという一点での協力である。
国民の皆さんの中には、ロシアのウクライナ侵略を見て、「日本の平和は大丈夫か」という心配の声もあると思う。しかし、相手が「軍事、核兵器、力の論理」できたときに、こちらも「軍事、核兵器、力の論理」で対抗すればどうなるだろうか。「軍事対軍事」の果てしない悪循環となり、それが一番危険なことになる。東アジアを平和の地域にしていくための憲法9条を生かした外交戦略こそ必要だ。
ところが、岸田政権の対応は外交不在、軍事一辺倒ではないか。「敵基地攻撃能力の保有検討」に踏み込み、9条改定に前のめりだ。皆さん、憲法9条を改悪し、日本を「軍事対軍事」の危険な道に引き込む動きを、力を合わせて断固止めようではないか。
↑志位和夫さん
野党共闘の本気度を見せよう
■福山真劫・市民連合事務局員
市民連合も結成して6年が経過した。ようやく全県に発足し、全国に200の組織ができた。4回の国政選挙を戦い、昨年の衆院選では立憲野党は多くの教訓を得た。第1の教訓は、中途半端な野党共闘では勝てず、従来の野党共闘を一歩進めた野党共闘が必要だということ。第2の教訓は、自民党に代わる政策を選択肢として野党共闘側が提起し、立憲野党と労働団体、市民団体、無党派層を参加させる総がかり的な体制をつくる必要があること。立憲野党指導部の皆さんが野党共闘を進めて自公政権と対決するんだ、という本気の姿勢を見せることが求められている。自民党は、野党共闘に対してあれやこれや難癖をつけてマスコミも利用しながら、野党共闘を壊そうとする。私たちはその戦術に乗ってはだめだ。
↑福山真劫さん
戦争と差別を許さない社会
■西島藤彦・部落解放同盟本部書記長
1922年3月3日、全国の被差別部落が自らの力で絶対に差別をなくすという決意から全国水平社を創立した。戦後、部落全国委員会を立ち上げて、紆余(うよ)曲折の時代を経ながら、今年100周年を迎えた。多くの努力で差別問題はかなり前進してきた。しかし、残念ながら人々の内面に問うてみれば、部落差別がまだ数多く存在している。ネット社会では出自を暴くアウティングがすさまじい勢いで繰り返され、差別が再生産されている。
また、ロシアのウクライナ侵略問題では、唯一の戦争被爆国・日本から「核共有」の議論が持ち上がるなど、日本もかつて来た道に再び戻ってしまう危険性がある。参院選では、社民党は2議席以上、3議席、4議席と積み上げ、野党の力を結集して、差別を許さない、戦争を許さない社会を共につくり上げていこう。
↑西島藤彦さん
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