社会新報

今こそ変えよう再審法! 袴田巌さんの再審判決を前に日比谷集会2400人

 

袴田巌さんの姉ひで子さんがあいさつ。(9月19日、日比谷野音)

福島党首と大椿副党首も登壇。

 

(社会新報10月3日号2面より)

 

 市民集会「今こそ変えよう! 再審法~カウントダウン袴田判決」が9月19日、東京・日比谷公園大音楽堂で開催され、2400人が参加した。主催は日本弁護士連合会で、袴田巌さんに対する再審判決が9月26日に行なわれるのを前に開催されたもの。

 第1部では、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんが司会を務め、「無罪判決が出されることが望まれるが、大切なのはえん罪を生み出した制度や仕組みにどう切り込んでいくかだ」と述べた。日弁連の渕上玲子会長のあいさつの後、金聖雄監督によるショートムービーが上映されて、現在の袴田さんの様子が紹介された。

 上映後、袴田さんの姉・ひで子さんが登壇。「最近の巌は足の運びが遅くなり、また長年の勾留による拘禁症も治っていない。それでも裁判の決着が付くことはうれしい。どうか巌の獄中47年7カ月間の頑張りを、再審法改正に結びつけてほしい」と訴えた。

 続いて、弁護士の鴨志田裕美さんが「袴田さんの58年間にわたる闘いのゴールは無罪であり、それを再審法改正に結びつけることだ」と強調した。

 再審法改正を早期に実現する議員連盟会長の柴山昌彦衆院議員は、「えん罪は最大の人権侵害で、許してはならない。与党も野党も関係なく法改正に向け頑張りたい」と語った。同議連に所属する社民党党首の福島みずほ参院議員と副党首の大椿ゆうこ参院議員も紹介を受け、会場から拍手が起きた。

 第2部はフリーアナウンサーの古舘伊知郎さんによるトークセッション。元厚労省事務次官の村木厚子さんは「検察は正義の味方ではないし、真相究明を目的にしていない」と述べ、稲田朋美衆院議員は「長く再審裁判が続いているのは法の不備、不作為だ」と法務省を批判した。またジャーナリストの津田大介さんは「再審制度のルールを確立しないと裁判官を困惑させるだけだ」と語り、法改正を訴えた。