社会新報

【主張】非核三原則見直し ~ 戦争被爆国の国是を変えてはならない

 

核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」とした「非核三原則」は日本の基本的な核政策である。三原則は1967年の佐藤栄作首相の国会答弁に始まり、唯一の戦争被爆国である日本の「国是」として、半世紀以上、幅広い支持を得てきた。2022年の安保3文書の安全保障戦略ですら「非核三原則を堅持するとの基本方針は今後も変わらない」と明記されている。三原則は極めて重い原則であり、一内閣の閣議決定で変えられるものではない。
ところが高市首相は11月11日の衆院予算委員会で、来年中の前倒し改定を目指す安保3文書の中で、非核三原則を維持するかどうかの明言を避け、その見直しの検討に入る姿勢を示した。
もともと、高市首相は三原則見直しを持論に掲げてきた。昨年9月に出版された高市氏の編著書『国力研究』(産経新聞出版)の中で、「非核三原則」を「邪魔」であるとして、安保3文書に三原則堅持を明記しないよう求めたが、かなわず「残念」であったと記している。「持たず」「つくらず」は維持するが、米国の「核の傘」に期待するなら、「持ち込ませず」は非現実的との考えを明示した。
高市氏は昨年の総裁選に出馬した際も、三原則のうちの「持ち込ませず」を「議論しなければならない」と主張し、米軍の「核持ち込み」を容認する姿勢を示してきた。
ノルウェー・ノーベル委員会は2024年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(被団協)に授与した。授賞理由は、「核兵器のない世界の実現に尽力し、核兵器が二度と使われてはならないという『核のタブー』を確立してきた」としている。唯一の戦争被爆国・日本の首相として、被団協などの「核と人類は決して共存できない」との訴えを受けとめ、一刻も早い核兵器禁止条約の批准や核軍縮にリーダーシップを発揮すべきところだが、その真逆に三原則見直しを検討するなどという姿勢は言語道断だ。被団協は11月20日、非核三原則の見直し論議に抗議する声明を発表。戦争被爆国日本が国是である原則を変えることによって、核軍拡競争を助長するようなことになってはならないのである。
社民党の福島みずほ党首は会見で「非核三原則の見直しなどあり得ない。日本に持ち込まれた核兵器が日本から発射されることを許してはならない」と訴えた。社民党は日本政府が三原則を堅持するために、全力を尽くす決意だ。