核禁条約の署名・批准を急いで ~ 被団協などが署名344万人分を外務省に提出

署名提出集会の参加者たち。 壇上の左端が服部幹事長。

あいさつする田中煕巳代表委員
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)は11月21日、東京・永田町で「日本政府は核兵器禁止条約への署名・批准を求める署名共同提出のつどい」を開催し、344万9012人分の署名を外務省に提出した。全国から被爆者など320人が参加し、会場は熱気に包まれた。
非核三原則の堅持を
被爆80年目の節目の年である今年は、核軍縮に逆行する危険な動きが急ピッチで進んでいる。
高市早苗首相は、来年中の安保3文書前倒し改定を前に、非核三原則のうち「持ち込ませず」を削除する見直し議論を与党内で開始する姿勢を示しており、その動きに危機感を持った被団協が集会の前日に、「高市内閣の『非核三原則』見直しに強く抗議し、『非核三原則』の堅持、法制化を強く求める」との声明を発表。
ロシアによるウクライナ侵略戦争は終戦のめどが立たず、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの大量虐殺が終わらず、国際情勢が緊迫化する中で、核兵器使用の危険性が高まっている。広島・長崎の被爆者の平均年齢は86歳を超えており、その人たちが経験した地獄の苦しみを二度と繰り返してはならないという核兵器廃絶の決意のもと、今回の署名簿の共同提出となった。
主催者を代表して田中熙巳被団協代表委員は、「ノーベル平和賞を受賞してからまもなく1年となるが、皆さんからお祝いと支援の言葉をいただき感謝している」と述べ、「本日は、日本政府が核兵器禁止への署名と批准を求める署名簿を直接渡すことが良いのではないかということで、この集いを開催した」と語った。
核兵器は悪魔の道具
その上で田中代表委員は、「高市首相は国会答弁で、いきなり『台湾有事は存立危機事態になり得る』と言い放ち、中国との関係が悪化し、非核三原則を見直すとの発言を軽々しく行なうなど、私は大変に危機感を持っている。核兵器は兵器ではなく、悪魔の道具だ。絶対に使用してはいけない」と首相を厳しく批判した。
なお、会場には各政党の幹部が集まり、社民党からは服部良一幹事長が参加し、紹介された。
世田谷で独自救済策
そして、全国首長九条の会共同代表の保坂展人世田谷区長があいさつ。「平和を希求する自治体の一つとして参加した。私は非核三原則の見直し論議を始めるという発言に断固反対だ。皆さんが住んでいる自治体では、『平和都市宣言』をされている所が多いと思うが、そこには非核三原則を堅持することを望むという文言があり、自治体ぐるみでこの発言を問題としなければならない」と強調した。
そして「昨年は長崎で平和首長会議を開催したが、そこでも日本政府に核兵器禁止条約の早期批准を求めており、これが全国の自治体の声だ」と語った。また、「国による民間人空襲被害者への救済がなされてない。世田谷区では、独自に来年から民間人被災者への見舞金を支給する議案を区議会に提出し、成立を目指している。国がやらないのであれば、まずは自治体からやる」と力強く訴えた。
344万署名の重み
そして、壇上にある署名簿の総数が344万9012筆であることが発表され、署名簿が被団協・原水禁・原水協の3団体や各地域の市民団体、労働団体から、それぞれ外務省の担当者に手交された。
署名の共同提出終了後には、衆院第二議員会館前集会が行なわれた。被団協の濱住治郎事務局長は、「今年7月、被団協・原水禁・原水協の3者で共同アピールを発表し、その流れで本日の取り組みとなった。80年前の8月6日と9日、広島と長崎に米軍が投下した2発の原爆は、2つの街を破壊。多くの人を大量殺傷した。人類が初めて体験した核戦争の地獄だった。核兵器は絶滅だけを目的とした狂気の兵器だ。絶対に認めてはならない」と訴えた。
集会に参加した社民党党首の福島みずほ参院議員も、「核兵器禁止条約への署名を求める344万筆の署名の重みをしっかりと受け止め、何としても批准に向けて頑張っていきたい」と訴え、あらためて日本政府に核禁条約への署名・批准を求めた。