社会新報

【主張】関生への不当弾圧~組合潰しに対抗し団結権を守り抜こう

(社会新報8月1日号3面より)

 

 「関西生コン国賠訴訟」公判が7月11日、東京地裁で開かれた。2018年以降、「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部」(以下、関生支部)の組合員が相次いで逮捕・起訴された事件について、労組や組合員らが20年3月に国などを訴えた訴訟の4回目の弁論だ。一連の捜査は憲法や労働組合法が保障する団結権を侵害する恣意(しい)的な拘禁だとして、国家賠償を求めた。
 事業者の協同組合と国家権力が結託した関生支部への刑事弾圧は異常なものだった。主導的立場とされた組合幹部は逮捕、起訴を繰り返され、一般の組合員も恐喝や威力業務妨害罪などで長期留置された。副執行委員長だった湯川裕司・現執行委員長は8回起訴され、計644日拘留された。
 逮捕された組合員は労組脱退を強要され、保釈条件には組合との接近禁止を科す。右翼グループを雇い、ユーチューブで虚偽情報の発信を繰り返す。1300人ほどいた関生支部の組合員は500人ほどに激減したという。こうした一連の労組破壊に平和フォーラムなどが「関西生コンを支援する会」を立ち上げ、弁護士有志や労働法学者有志などの支援の輪も広がった。
 一連の事件で66人の組合員が起訴されたが、起訴された組合員の6人に1人が無罪となっている。有罪率99・9%の日本の刑事司法の下では驚くべき無罪率といえる。法廷で意見を述べた海渡雄一弁護士は、「関生支部が反社会組織であるかのような宣伝がなされ、大手メディアも報じてこなかった」とし、「検察官、警察官による誤った法解釈と偏見に基づく見立ての下につくり上げられた、えん罪事件」と断じた。
 関生支部はミキサー車の運転手らが個人で加盟。団体交渉で勝ち取った労働条件を業界全体に適用させる産業別労働組合として活動してきた。日本の労働組合のほとんどが、企業体を基礎として組織された企業別組合の連合体で個別企業の経営判断に縛られやすいのと比べ、労働者の利益が守られやすく、成果を上げてきた。そのことへの警戒が関生支部弾圧の背景にあるのではないか。
 この5月には国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が報告書でこの問題に言及し、国際的な注目も高まっている。労働運動の否定は労働者全体の不利益であると同時に、民主主義の危機でもある。関生支部への異常な組合つぶしを許してはならない。