社会新報

過ち繰り返さず歴史の正視を ~ 関東大震災101年 横網町公園で朝鮮人犠牲者追悼行事

関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典で披露された金順子(キム・スンジャ)さんによる「鎮魂の舞」。(1日、東京・墨田区の都立横網町公園)

日朝協会などの主催による追悼式典で献花する人たち。

朝鮮総連中央本部などの主催による同胞追悼会で高徳羽都本部委員長らが追悼碑前で献花した。

 

(社会新報9月12日号2面より)

 

 1923年9月1日に発生した関東大震災とその混乱の中で、「朝鮮人が井戸に毒を投げ入れた」などの流言が飛び交い、各地で軍や警察、自警団などによる朝鮮人らへの大量虐殺が横行した。
 台風の影響で小雨の降る中、101年前に虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼行事が9月1日、東京・墨田区の都立横網町公園で執り行なわれた。日朝協会などによる追悼式典と、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)などによる同胞追悼会がそれぞれ開かれた。台風の影響から、例年よりも行事の規模が縮小された。
 追悼行事は、1974年から毎年、公園内の朝鮮人犠牲者追悼碑前で行なわれてきた。美濃部亮吉都知事以降、歴代の知事が式典に追悼文を送ってきたが、現在の小池百合子都知事は、就任翌年の2017年から送付を拒み続けている。
 1日の式典は実行委約20人で開催され、会場周辺に数百人の市民が訪れた。日朝協会東京都連合会の宮川泰彦会長は「歴史から逃げ回っていて恥ずかしくないのか」と小池知事を厳しく批判した上で、「過ちを繰り返さないために、歴史に向き合い、真実を知り、語り継いでいこう」と訴えた。
 また、同日、同公園で朝鮮総連中央本部などの主催による「東京同胞追悼会」が執り行なわれ、総連中央の局長や総連都本部委員長ら100人が参列し、黙とうと献花をささげた。北朝鮮の朝鮮人強制連行被害者・遺族協会、日朝友好促進東京議員連絡会からの追悼文が紹介された。
 一方、同公園では、震災当時の朝鮮人流言を事実と主張し、追悼碑の撤去を要求する排外主義者団体「日本女性の会 そよ風」が集会を開催。その後、追悼碑の近くに現れ、「われわれは追悼碑を必ず破壊する」などと叫ぶ場面もあった。