社民党党首の福島みずほ参院議員は10月10日、東京・千代田区の日本記者クラブに対し、同クラブ主催の党首討論会(12日実施)から社民党を排除したことに対して抗議し、招請の要件を従来どおりに戻すよう要請した。服部良一幹事長と渡辺英明常幹が同行した。応対した同クラブの江木慎吾専務理事は、「明日11日の企画委員会で話し合い、回答する」と述べた。
日本記者クラブは今回、討論会に招請する政党の要件を、①国会議員5議席以上で、なおかつ②直近の国政選挙で得票率2%以上とし、7党の党首を呼んだ。前回2021年の衆院選、22年の参院選では、①または②のいずれかの要件を満たしていればよいとして、社民党を含む9党の党首が参加していた。
福島党首は、「政党要件を有する少数政党である社民党を党首討論から排除するのは、選挙と報道、そして表現の自由をゆがめる。民主主義の危機を招く行為だ」と厳しく批判した。
その上で、党首は「社民党は22年の参院選で2%を超える得票をしており、有権者からは護憲の政党を残し、社民党でなければできないことを託された。衆院選公示前に討論会から排除されてしまえば、社民党にとって『死刑宣告』を下されたも同然だ」と訴え、招請するように要請した。
同席した服部良一幹事長からも、「これまでも社民党は、NHKの国会討論に呼ばれないなどの不当な扱いを受けており、いわば我慢をしている状態。党首討論から排除されてしまえば、公選法の政党要件との法的なズレが生じてしまう」と危惧し、招請するよう重ねて要請した。
結局、同クラブは社民党党首の出席を認めず、代替措置として1分間の党首の動画を会場で流すことを認めると回答した。