新潟県庁を1200人以上の人々が取り巻いた。「知事は公約を守れ」などと書かれた横断幕・プラカード・のぼりを掲げ、「知事は県民の声を聞け!」とシュプレヒコール。
11月25日午前11時45分に始まった「人間の鎖」は、県庁1周約1㌔を完全に取り囲んだ。行動の主催は「柏崎刈羽原発再稼働の是非を考える新潟県民ネットワーク」だが、裏方の重要な任務を社民党・平和センターが務めており、社会党・県評時代のDNAがしっかりと引き継がれていた。
今後、舞台は12月県議会に移る。花角英世県知事は、柏崎刈羽原発6・7号機の再稼働を容認し、その判断をした自身の信任を県議会に問うと11月21日に表明した。12月議会では、知事判断の信を議会に諮ることは県民への裏切りだと厳しく問いたださねばならない。
そもそも今春の直接請求署名で、14万3000人の県民が「原発再稼働の是非は県民投票で決めるべし」と訴えている。さらに新潟日報社が21日~25日に実施したデジタル上での緊急アンケート結果では、知事判断を支持しないと答えた人は78・4%に上った。回答者は県内外の7142人で、県外からが35・4%を占めるとはいえ、知事判断は圧倒的高率で否定されている。しかし、県議会の53議席中32議席を自民党が占めている以上、知事判断は、残念ではあるが信任されるだろう。
自民党県議は、2011年3月11日以降の福島の、新潟の、日本のあの悲惨極まる大混乱を忘れてしまったのか。避難途中に亡くなった多くの高齢者たち、「原発さえなければ」と書き置きし、自死した酪農家の無念さをもう忘れたのか? 福島に戻れない避難者はいまだに2万5000人以上いるといわれている。甲状腺がんに苦しむ若者たちがかなりの数いるともいわれている。福島第1原発は廃炉に向けた道筋が全く見えず、たまる一方の汚染水は海洋にどんどん放出するばかりだ。自然破壊もはなはだしく、実に罪深い。
新潟商議所会頭は知事の判断を尊重すると表明した。経団連会長までもが知事を激励に来た。
いったい新潟の与党政治家と財界人らは、柏崎原発で事故が起こった時に責任を取れるのか。命に関わることは県民一人ひとりの判断に委ねるべきだ。議会で不当な判断が行なわれたときは、来年5月の知事選で再度、民意を突きつけなければならない。