社会新報

渋谷区は野宿者排除をやめろ!~区立美竹公園の完全封鎖に抗議する

渋谷区は美竹公園の野宿者排除を止めろと訴えデモ行進(渋谷区の明治通り)。

渋谷区の神宮通公園に置かれた「渋谷区は追い出しはやめろ」の大きなプラカード。

 

 12月14日朝8時ごろ、渋谷区が美竹公園の強制封鎖に踏み切った。同区による再開発事業に向けたもので、10月25日早朝にも抜き打ち封鎖が行なわれていた。この時は抗議が殺到し、かろうじて公園出入口を確保した。この抜き打ち封鎖に対する抗議デモ(12月11日)が行なわれた矢先の強制封鎖となった。

 野宿者6人と支援団体「ねる会議」のメンバーは、美竹公園の強制封鎖の前兆を察知し、13日夕方に近くの神宮通り公園に移動。居住環境を整えていた。ところが、14日16時ごろに渋谷区職員と警備員約100人が神宮通公園に大挙して押しかけ、野宿者の所持品(携帯電話や財布、身分証明証、衣類など)を収奪した。中には売り物となるはずの雑誌『BIG ISSUE』を持って行かれた人もいる。関係者によると、押しかけに際して区土木部公園課長は、拡声器を通して、今年5月に区内で発生した会社役員による放火事件を持ち出し、「渋谷区では会社役員の男性が路上生活の荷物に放火をする事件もあった。野宿生活をすることはそのような危険もある」旨を繰り返し強調し、退去を促したという。野宿者からは「また人間以下の扱いを受けたことが悲しい」と落胆の声が漏れた。

 14日夜になっても、神宮通公園の3ヵ所の出入り口付近には警備員が各所に5人程度が常駐し、強制封鎖になりかねない緊張状態が続いている。ツイッターなどで事態を知った支援者ら約30人が駆けつけ、野宿者らを孤立させない取り組みを、現在も続けている。

美竹公園からの排除に抗議デモ

 12月11日、渋谷区立美竹公園で生活を営む野宿者の強制排除に抗議するデモが、支援団体「ねる会議」の主催で行なわれた。区役所前などで「渋谷区は野宿者を排除するな」「暮らしをつぶすな」の声を上げた。

 美竹公園では四半世紀にわたって共同炊事や越年越冬闘争が取り組まれてきた。ところが、渋谷区が同地の再開発事業に向け、10月25日早朝に抜き打ち封鎖を強行。これに対する抗議が殺到していた。12月14日早朝に完全封鎖された。その危機的状況の中で越年・越冬を余儀なくされている。「しぶや越年越冬闘争」へのカンパは〈郵便振替口座00160-1-33429 のじれん「越冬カンパ」〉まで。