社会新報

落雷労災事故から5年 長野で外国人2人を追悼

鳥居一平さんの講演の様子

 

再発防止と共生社会の実現を

 

 2020年8月22日午後5時半過ぎ、長野県小諸市柏木で農作業に従事していた2人の外国人労働者が夕立に伴う雷に打たれて亡くなる事故が発生した。
 事故発生から5年目となる8月23日、同市交流センターで「小諸落雷労災事故から5年 犠牲者を追悼する会」が開催され、40人が参加。犠牲者を追悼するとともに、同様の事故の再発防止と外国人との共生社会実現を誓い合った。前日には落雷事故が発生した畑に有志で出向き、献花と黙とうを捧げた。
 追悼の会は、JAM(ものづくり産業労働組合)出身で在日ビルマ市民労働組合の活動に携わる小山正樹さん(上田市在住)の呼びかけで催されたもので、実行委員会には社民党も加わり、活動を担ってきた。
 この日は、移住連・共同代表理事の鳥井一平さんが「外国人とともに働き、ともに生きよう」と題して講演した。
 鳥井さんは、日本の外国人労働者の現状や、これから求められる外国人労働者との多文化・共存の方向性を語り、先の参院選で噴き出した外国人労働者への差別的言動について、「排外的なデマをうのみにしてはいけない。政党や政策を批判するだけではなく、私たち自身が『それはおかしい』と言えることが重要だ」と訴えた。
 落雷事故では、市内の畑でサニーレタスの苗植え作業をしていた外国人労働者8人のうち、スリランカ人男性とタイ人女性が死亡した。事故を知った小山さんが小諸労基署にかけ合い労災認定手続きに奔走。認定にこぎつけた。
 小諸労基署は2021年2月、労働基準法(労働条件の明示)違反の疑いで男性事業主を書類送検し、佐久区検が略式起訴。佐久簡裁は罰金10万円の略式命令を出している。
 県内の小諸・佐久地域は県内有数の高原野菜の産地で、農作業は外国人労働者なしに成り立たない。事故がなぜ起きたのか、どうすれば防げたのかを直視するとともに、外国人労働者の労働環境の改善や賃金の保障はもちろん、差別せず、偏見を持たずに暮らしていける多文化共生の社会をつくっていかなければならない。