社会新報

辺野古「日当デマ」を追及~党執行部が防衛省から聞き取り

防衛省職員(手前)から聞き取りを行なう(向かい側右から)大椿、新垣両副党首、服部幹事長。(14日、参院議員会館)

 

(社会新報11月28日号2面より)

 

 防衛省から広報アドバイザーに任命されている弘兼憲史氏が講談社の『モーニング』誌上の連載「社外取締役 島耕作」の中で、「アルバイトでやっている人がたくさんいますよ」「私も一日いくらの日当で雇われたことがありました」との台詞を入れ、辺野古新基地建設反対運動の現場で日当が払われているとのデマ情報を広げたことが問題になっている。
 14日、大椿ゆうこ参院議員、新垣邦男衆院議員、服部良一幹事長が、この問題について、防衛省から聞き取りを行なった。
 弘兼氏と『モーニング』編集部は10月21日、この言説は「当事者からは確認の取れていない伝聞」であるとする謝罪文を公表し、電子版から該当部分を削除した。
 一方、防衛省は、大椿議員が10月23日に送付した質問状に対し、「弘兼氏の連載内容について、防衛省としてお答えする立場になく、コメントは差し控えさせていただく」と答えるのみにとどまった。
 説明に来た防衛省の担当者は、「防衛省は工事を行なう立場なので、沖縄の運動の動機について逐一把握する立場になく、『日当』言説が事実に基づくものかの確認は対応しかねる」「弘兼氏に対し、防衛省が普天間代替施設に関する説明や意見交換を行なった実績はなく、民間の出版者の発言について答えることはしない」と繰り返した。
 新垣議員は、「アドバイザーである人物が、日当が配られているのを事実であるかのように発信すると、沖縄県民が頑張ってやっていることが全部否定される。県民としては全く納得できない。防衛省はもっと真剣に考えるべきだ」と追及した。
 大椿議員は、「弘兼氏のデマが防衛省の工事を後押しするものだからこそ、防衛省が書かせたのではないかと疑ってしまう」として、事実関係の説明や、弘兼氏とのアドバイザー契約解除等の対応が必要ではないかと指摘した。
 一方、防衛省は来年5月31日まで契約を継続するとの考えを示し、省としての説明も行なわないとの立場を崩さなかった。デマ情報を流す人物に、アドバイザーを務める資質はない。このまま放置すると防衛省がデマにお墨付きを与えたことになるため、省内に持ち帰り対応を再考するよう強く求め、聞き取りを終えた。