社会新報

小田実さん没後18年シンポ ~ 開かれた運動のスタイル創造

会場では、2005年の「九条の会有明 講演会」で語る小田実さん が映し出された。

 

 「小田実没後18年シンポジウム 『人間の国』はどこに?」が9月20日、東京・千代田区内で開催された。社民党からは副党首のラサール石井参院議員が参加した。 
 最初にルポライターの鎌田慧さんが、小田実さんの市民運動への貢献について、政党・労働組合といった組織に入っていない一般市民も参加でき、「来る者は拒まず、去る者は追わず」という極めて開かれた初めての運動スタイルをつくり上げたと述べた。また、運動の中で基本的人権を尊ぶ人間主義を徹底することが大切だと訴えた。 
 続いて神子島健(かごしま・たけし)東京工業大学教授が「戦争の加害認識と責任が戦後民主主義と平和の礎」と題して講演した。神子島教授は、江華島事件からアジア太平洋戦争に至るまで近代日本の歴史は侵略の歴史であったが、東京裁判・サンフランシスコ講和条約等において侵略・植民地支配は不問に付されたと指摘。その上で、「侵略を謝罪しなければ侵略された国と友好関係を結べない」として、民衆に意味付けし得ない無残な死=難死を強いる国家原理から自分を切り離すことにこだわった小田さんの言葉と行動から学ぶことは多いと述べた。 
 小田さんの「人生の同行者」である玄順愛(ヒョン・スネ)さんはビデオメッセージを寄せた。玄さんはそのなかで、大阪大空襲と阪神淡路大震災という2つの「難死」を体験した小田さんが無念に犠牲にされた死者に並々ならぬ思いを抱き、権力者に取り込まれない徹底的不服従の精神があったと述べた。
 ラサール議員は、長生炭鉱や朝鮮学校無償化に関する集会・交渉に参加し、日本の加害責任・戦後補償の問題に取り組んでいることを報告。「『人間は万事、チョボチョボ、対等・平等だから助け合わないと生きていけない』との小田実さんの言葉を、政治の世界から実践する」と決意を述べた。