（社会新報2021年3月17日号1面より）

 

3月3日の参院予算委員会で、社民党の福島みずほ党首は、丸川珠代男女共同参画担当相に対して、選択的夫婦別姓制度の実現を求め、同制度に反対する担当相の姿勢を厳しく追及した。

 

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丸川担当相は大臣就任前の今年1月、自民党国会議員有志が一部の地方議員に対して、夫婦別姓に賛同する意見書を地方議会で採択しないように求めた書状に名を連ねていた。そのため、大臣の資質を疑問視する声が多くの市民から上がっていた。

福島党首は開口一番、「丸川さんはなぜ選択的夫婦別姓に反対するのか」とただした。これに対して丸川担当相は、「私には私の考えがあるのは確かですが、それはそれとして、私は大臣の任があるので大臣としてしっかり務めを果たしたい」と答弁を拒否した。

 

反対理由を重ねて質問

答弁をはぐらかす担当相に対して、福島党首は怒りを込めて「なぜ選択的夫婦別姓に反対なのか。答えてください」と徹底追及。

丸川担当相は「（男女共同参画担当の）職員にも、実は私の個人としての考えを伝えていない。私の意見に左右されないで国の政策を進めていただきたい」と苦し紛れに弁明した。

福島党首は菅首相と上川陽子法相がかつて夫婦別姓に賛成したことを国会で答弁していると指摘した上で「丸川さんだけ答えないのはおかしい」と厳しく批判した。

委員会室には「それでも担当大臣なのか」と怒号が飛び交い、何度も中断した。

福島党首は丸川担当相に対し、選択的夫婦別姓に反対する理由を、合計9回にわたり粘り強く質問した。

 

丸川大臣の資質を問う

丸川担当相はやっと重い口を開き、かつて反対した理由に関し、「家族の一体感について議論があって、ああ、これは家族の根幹にかかわる議論だなという認識を持ったからです」と答え、同姓が家族の一体感につながるとの持論を述べた。

福島党首は菅義偉首相に対して、「選択的夫婦別姓に反対する人が男女共同参画担当大臣として適格だと思うか」と丸川担当相の資質を厳しくただした。

これに対して、菅首相は「個人それぞれの考え方があるわけです。（中略）よろしいんじゃないでしょうか」などと、大臣任命者としての責任を放棄するような逃げの答弁に終始した。