社会新報

イスラエルは虐殺をやめよ~国会正門前行動に1500人

参加者らは国会正門前で「パレスチナに平和と自由を」「虐殺やめろ」などとコールを繰り返した(12月10日、東京・千代田区)。

 パレスチナ自治区ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃は激しさを増し、犠牲者数が激増している。
 こうした状況の中、世界人権デーの12月10日の午後、全国一斉アクションの一環として国会議事堂正門前で抗議集会「パレスチナに平和を! 日本政府は停戦を実現させろ!」が行なわれ、約1500人(主催者発表)が参加した。呼びかけは「パレスチナに平和を! 緊急行動」。

米国のやり方と同じ

  集会ではイスラエルへの怒りが表明され、日本語や英語で「虐殺やめろ」「パレスチナに自由を」などとコールが繰り返された。
 千葉大学教授の栗田禎子さん(中東現代史)は、この問題を考える前提として「占領者と非占領者の関係」の重要性を指摘し、次のように語った。
 「ガザ地区で起きていることは、民間人に対する無差別攻撃であり、ジェノサイド(大量虐殺)だ。『現代のホロコースト』と言ってもいい。これは米国の戦争のやり方(と同じ)だ。湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争を振り返れば、いずれも欧米諸国の安全を脅かした相手に『テロリスト』とか『ならず者国家』とレッテルを貼り、『テロに対する自衛だから国際人道法を守る必要はない』という〝論理〟で(軍事攻撃を)強行する。(敵を)どこまでも追いつめ、民間人も無差別に殺害する」 国連事務総長の求めに応じて約100か国が安保理に共同提案した「ガザ地区での即時の人道的停戦を求める」決議案は、12月8日、米国が拒否権を行使したために否決された。
 これについて栗田さんは「ガザでのジェノサイドを黙認する米国は、国際的に孤立している。東アジアで米国を支える日本は、そろそろ路線の切り替えを考える必要がある」と訴えた。
 日本在住でパレスチナ人と日本人の血をひくタティアナさん(25)は、「私たちが目撃しているガザでの出来事は、民族浄化であり、大量虐殺だ。これはナチドイツがユダヤ人に行なったことと変わりがない。ホロコーストがあったからといって、『もう一つのホロコースト』を行なってもいい、とはならないはずだ」と訴えた。

途絶えたガザ通信

   日本在住でガザ地区出身のザックさんは、日々届く「ガザに住む友人」からのメッセージを読み上げた。電話でも時々話すという。
 「俺はもう15回ほど死にかけた。兄弟よ。数えるのはもうやめた」
 「俺たちは包囲されている。家から出られない。彼らは俺の家の前で16人以上を殺した。うち4人が子どもだ。彼らは家の入口を爆撃した。俺の頭からの出血は止まったが、妹は両手を負傷している。だが救急車は来てくれない」
 「子どもたちは凍えている。彼らに服を与えたから、俺は下着しか着ていない。妹が目の前で死にかけている。もし妹に何かあれば、俺は自分を殺す」
 最後のメッセージは(3日前の)木曜日で、それ以来、連絡がないという。