社会新報

【主張】2023年の社民党~統一自治体選に勝利し反攻の足場を築こう

(社会新報1月1日号2面)

 

 2022年という年は、世界にとっても、日本にとっても、そして社民党にとっても、大きな節目となる年となった。

 22年初から活発化していたロシアの軍事行動は、2月24日、ウクライナへの軍事侵攻という最悪の事態に至った。第2次世界大戦後、国連憲章が戦争を違法と定め、戦争違法化の流れはそれなりに定着しつつあった。さまざまな解釈や抜け穴は残り、イラクやアフガニスタンのような紛争も起きてはいたが、大国が他国を支配するために堂々と侵略戦争をしかけ、国運を賭けた総力戦を年単位で続けることは、ほとんど想定できなくなっていた。

 この衝撃を受けてフィンランドとスウェーデンは長年の中立政策を転換してNATOに加盟申請し、平和志向が強かったドイツの社民党政権(自民党、緑の党と連立)も軍備倍増を決めるなど、多くの国があわただしく政策を転換した。資源大国ロシアの戦争によって資源、エネルギー供給が不安定となり、世界の脱原発の流れも、強い逆風にさらされている。

 このような中、日本でも大きな政策転換が行なわれた。22年末に「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」のいわゆる防衛3文書が改定され、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や「スタンド・オフ・ミサイル」の運用部隊編成などが決まった。防衛費を対国内総生産(GDP)費2%に大幅に増やし、攻撃型の装備を大増強する。

 これで平和憲法だ、専守防衛だ、といっても通らない。ウクライナの「戦況」が連日お茶の間に流れ、「戦争」が意識されるなかで、市民の漠然とした不安を背景に、ほとんど議論のないまま強行された。電気代の高騰や物価高を逆手にとった原発推進政策も同時期に決まり、あれよあれよという間に国の基本政策が大転換されたのである。

 一方、社民党は一昨年以来の「合流問題」後、政党要件を失うのではないかといわれながらも総選挙・参院選挙で得票を増やし、国政政党としての存続を果たすことができた。

 ウクライナ戦争、安倍元首相殺害で表面化したカルト宗教と政権党の癒着問題、コロナ禍、円安・物価高騰など、パンドラの箱からあらゆる厄災が飛び出した22年。社民党が「希望」として残ることができるのか、今年4月の統一自治体選挙で反攻の足場を築けるかにかかっている。