社会新報

【4月24日の福島党首会見】経済安保新法案の性的動向「身辺調査」は人権侵害だ~共同親権法案は抜本的修正が必要

 

 社民党の福島みずほ党首は4月24日、参院議員会館で会見を行ない、経済安保新法案や、共同親権などについて語った。

経済安保新法案に対し、福島党首は23日の内閣委員会で質問するなど、その危険性を追及している。24日の会見では、同法案で政府が行なえるとする身辺調査に関して、「ハニートラップなどもあるから性的動向も調査する場合があるというのが政府の答弁だ。しかし、性的動向ではLGBTQかどうかも調べることになるなど、プライバシーの侵害となり、極めて問題だ」と懸念を表明した。

  また、福島党首は、「特定の企業の秘密を政府が共有することで、一つの企業だけが優遇され、あとは参入すらできないということも起きるかもしれない。情報が独占されることで、日本の企業の活力や競争力を奪うのではないか」と疑問を投げかけた。

 離婚後の共同親権を導入する民法改正案について、福島党首は「離婚しても、面会交渉や養育費の支払いなどで、一緒に子どもを育てているという例であれば共同親権になろうがなるまいが、うまくいく。問題はうまくいっていない場合で、例えば、子どもと同居する親が同意していないのに、無理やり共同親権にしてもうまくいくわけがない。だから、せめて、共同親権についての親双方の合意が必要だ」と述べた。与党案では、「急迫の事情」がある場合は単独親権にできるとしているが、福島党首は「急迫というが、『急迫不正の侵害』のように、法律上はとても限定して使われてきた」と指摘。「例えば、母親が子どもを連れて出ることを父親が許さないとなれば、離婚ができないことにもなりかねない」と、DV被害等に苦しむ女性たちが逃げられなくなることについて懸念。「法案が成立・施行された場合、家庭裁判所の負担増は必至。現状の家裁のキャパシティでは足りない。法案の修正が必要だ」と求めた。