社会新報

水俣病訴訟の全面解決を~ノーモア・ミナマタ近畿第2次訴訟の原告と弁護団が福島党首に要請

ノーモア・ミナマタ訴訟の勝訴を受け、弁護団が党首に要請書を手交(10月5日)

 

(社会新報10月18日号2面より)

水俣病被害者救済法(特措法)に基づく救済を受けられなかったのは不当だとして、大阪府などに住む128人が国と熊本県、原因企業のチッソに損害賠償を求めたノーモア・ミナマタ近畿第2次訴訟で、大阪地裁は9月27日、原告全員を水俣病と認めて国などに賠償を命じる画期的な判決を言い渡した。

 

10月5日、参院議員会館で原告の1人である前田芳枝さん(74)と原告側代理人の徳井義幸弁護団長が社民党の福島みずほ党首(参院議員)らと面会し、裁判の報告と今後の活動への支援を要請した。

 

チッソが前日の4日付で一審判決を不服として控訴したことから(その後、国と熊本県も控訴)、党への要請は怒りに満ちたものになった。前田さんはチッソの控訴について「聞いた時には震え、力が抜けた。私たちの身体をどう思っているのか。人として考えてほしい」と怒りをあらわにした。

 

福島党首は「皆さんの頑張りで完全勝訴を勝ち取った。チッソの控訴は許せず、全面的に応援していく」と述べた。要請には党から福島党首のほか、大椿ゆうこ副党首(参院議員)、服部良一幹事長、今泉克己党熊本県連代表らが出席した。

 

原告・前田芳枝さんの訴え

10歳ごろから身体にしびれを感じ、震えが止まらなくなった。受診しても自律神経失調症との診断で、精神科にも通い、「もう死ぬ」という気分にもなった。震えで料理もできず、単身赴任していた夫が金曜日に帰宅し、水曜日までの分の食事を作ってくれた。木曜日と金曜日については子どもが学校の給食を食べずに持ち帰ったので、それを食べた。その後、水俣病と診断され、一瞬うれしかった。字を書けないことがいちばんつらかった。震えることを隠し通してきた人生だった。障がい者として認めてほしい。