社会新報

【志賀原発に党調査団】再稼働ありえず廃炉一択~地盤の隆起・沈降で数十カ所の段差

志賀原発周辺の西海漁港でも地盤が隆起し、アスファルトの地面に大きな亀裂が生じていた。

西海漁港でも地盤の隆起と液状化によって50センチほどの段差が生じていた。段差を指差す福島党首。

志賀原発の構内にある事務建屋内で、社民党が北陸電力の役員ら(右側)に多くの疑問点を質した。

 

(社会新報4月4日号1面より)

 

 福島みずほ党首を団長とする社民党調査団が3月18日、能登半島地震によりオイル漏れ事故などを起こした北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の現地調査を行なった。調査団は同原発構内で未公表の段差を見つけ、地盤が極めて不安定であることを確認し、「再稼働はあり得ず、廃炉しかない」と北陸電力側に訴えた。
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 調査団は福島党首の他、服部良一幹事長、党石川県連代表の盛本芳久石川県議、山口俊哉白山市議、清水文雄内灘町議、浅野俊二羽咋市議、党福島県連の佐藤龍彦さん、島村進党富山県連代表、長沢啓行大阪府立大名誉教授、「志賀原発を廃炉に!訴訟原告団」の北野進団長ら14人で構成した。

海岸の隆起で機能麻痺

 一行は18日午前、風無港や西海漁港、領家漁港、福浦港など志賀町の海岸を視察し、隆起した現場を確認した。いずれの海岸も60~70㌢ほど隆起し、船が接岸できず、港の機能がまひしていた。西海漁港では、船着き場のアスファルトの地面が大きく亀裂し、数十㌢の段差がみられた。一行は倒壊した家屋の甚大な被害状況も視察した。
 同日午後、一行は志賀原発に隣接する「脱原発」団結小屋に寄った後、原発施設内に入った。北陸電力の福村章常務執行役員らが緊急時対策棟や起動変圧器、2号機原子炉建屋最上階などを案内。施設の出入りには顔認証などの厳重なチェックがあった。一行は車で移動中、構内に10㌢近い段差を発見。この段差は北陸電力が公表した11ヵ所に含まれておらず、数十ヵ所に及ぶことを電力側は否定しなかった。
 大量の油漏れの原因となった変圧器の配管の接続部分の亀裂について、北陸電力は「1号機で直径11㌢の配管で5㌢の亀裂、2号機で直径17㌢の配管で20㌢の亀裂」と説明した。

避難計画は机上の空論

 視察後に、調査団は金沢市内で記者会見を行ない、福島党首は開口一番、「廃炉一択しかない」と強調した。
 党首は第一に、未公表の段差が原発敷地内に数多くあることについて「地盤は隆起・沈降で不安定」と懸念を表明。第二に、志賀町の海岸の隆起について「輪島や珠洲の隆起とまではいかないが、かなりの隆起が見られた。志賀原発は極めて危険だ」と強調。第3に、原発震災時の避難計画を「道路は寸断され、家屋は倒壊し、避難も屋内避難もできず、被ばくするしかない」とし、机上の空論であると批判。今の原子力災害対策指針を見直すべきだと訴えた。
 断層の連動について「北陸電力は96㌔の断層が連動するとしか想定していなかった。実際には1・5倍の150㌔が連動。間違いを重く受けとめるべきだ」と想定の甘さを指摘した。
 盛本石川県連代表は北陸電力に対し、原発構内に設置された44ヵ所全ての地震計の元日のデータを開示するよう求め、「どの程度の揺れが変圧器などの施設にどう影響したのか、検証すべき」と強調した。

志賀原発に隣接する、脱原発の団結小屋の前に集まる社民党調査団一行。