社会新報

【主張】統一自治体選始まる~参院で社民党複数議席を回復へ

(社会新報4月5日号3面より)

 

 3月23日、全国の9道府県で知事選挙が告示され、4年に1度の統一自治体選挙がスタートした。26日には政令指定都市の長、31日には道府県と政令指定都市の議員の選挙が告示され、4月9日投開票の前半戦が始まる。さらに1週後の16日には市区の長と議員、18日に町村長と議員の選挙が告示され、23日投票の後半戦に続く。

 今回、社民党は道府県議選で32人(現20人・新12人)、政令市議会選に14人(現10人・新4人)の公認・推薦・支持候補を擁立している。4年前の統一選の候補者は県議選71人、政令市議選17人であったことから比べれば、候補者数は大きく減少している。全体的な高齢化に加えて、一昨年の「合流」問題の影響も否定できない。しかし「合流」による党員や議員の大量離党の後の21年の総選挙、22年の参院選では、「合流」前よりむしろ票を上積みして、党の存続を勝ち取ってきた。今回の統一自治体選挙にもなんとしても勝利し、党の存続を確かなものにしたい。

 また、今回の統一自治体選に合わせて4月23日投開票の国会議員補欠選挙も行なわれる。衆院4選挙区(千葉5区、和歌山1区、山口2区・4区)と参院大分選挙区である。中でも参院大分補選には吉田忠智前社民党党首(現・立憲民主党大分県連代表)が参院議員を辞職して立候補することになった。参院議員(比例)を辞職して参院議員(選挙区)選挙に出るのは分かりづらい面もあるが、立憲野党勢力として絶対に負けられない選挙での窮余の一策として、知名度のある現職を擁立したのだろう。

 その結果、社民党の参院の議席が1議席増となりそうだ。吉田議員はすでに社民党を離党して立憲民主党に「合流」しているが、その議席は19年参院選の比例選挙区で社民党の名簿登載者第一順位として獲得した、もともと社民党の議席だからだ。吉田氏の辞職で繰り上がるのは、社民党の比例名簿登載者となる。

 19年参院比例選挙区の得票順で2位と3位の候補者はすでに離党していることから、吉田氏の次順の候補者は大椿ゆうこ現社民党副党首となる。今後、手続きを経て、参院議員となる予定である。

 軍拡増税や原発政策の大転換を強行する岸田自公政権から、地域住民のいのちとくらしを守る政治を実現するために、この議席を有効に生かしていきたい。

 

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