社会新報

【主張】石破首相の辞任表明 ~ 市民不在の自民党内抗争を批判する

 「石破おろし」の圧力に耐え切れなかった。

   石破茂首相(自民党総裁)が9月7日、ついに退陣を表明した。皮肉にも「石破おろし」を主導したのは、派閥裏金問題や旧統一教会との癒着で党の信頼を失墜させた旧安倍派などの議員たちだった。

 参院選の大敗から50日間、市民不在の党内抗争に明け暮れ、物価高対策など喫緊の課題が一向に進まない「政治空白」が続いた。

 首相は一時解散・総選挙の構えも見せて政権にしがみつこうとしたが、党総裁選前倒しを求める「石破おろし」の突風にひれ伏した。

 石破首相は同日の記者会見で、退陣表明について米国との関税交渉に「一つの区切りがついた今こそ、しかるべきタイミングだ」とした。しかし、関税交渉は「一区切り」つくどころか、米国指定の81兆円対米投資と米国産コメ輸入75%増、米国製兵器の爆買い、などを押しつけられた。

 昨年の総選挙と今年7月の参院選挙で、自民党は大敗し、少数与党に落ち込んだ。問われたのは、派閥裏金のあいまいな決着、旧統一教会との癒着問題のけじめの甘さ、物価高への無策、米国追随の大軍拡などであった。「政治とカネ」問題では、首相は会見で「国民の政治への不信を払しょくできていない。最大の心残りだ」と、現状を嘆くばかり。

 少数与党の下、掲げた「熟議の国会」も一部野党の協力を得る部分連合に過ぎず、選択的夫婦別姓制度の実現も、戦後80年の節目の首相談話も結局、見送られた。長生炭鉱水没事件の遺骨が発見されたにも関わらず、政府は調査・発掘に参画しようとはしない。今からでも遅くない、首相辞任までの数週間に、戦後80年談話を出すべきだ。

 いま政治に求められているのは、参院選で各党が公約に掲げた消費税減税や物価高対策など一刻も早く実現することだ。社民党など7党が国会に提出したガソリン税の暫定税率を廃止する法案の実現も待ったなし。一刻も早く臨時国会を開かなければならない。

 総裁選は党所属国会議員と党員党友が投票に参加する方式で10月4日に投開票となる。立候補予定者の顔ぶれを見ると、自民党参院選総括で語られた「解党的出直し」ができる人物はいない。少数与党のため、新総裁がそのまま首相になる保証はない。野党が一致団結すれば、政権交代も可能な局面である。

 社民党は立憲野党勢力と連携し、自公政権を終わらせるため、全力を尽くす。