社会新報

【8月23日の福島党首会見】汚染水の海洋放出を批判~責任を放棄する国と東京電力

 

  社民党の福島みずほ党首は8月23日、参院議員会館で会見し、福島第1原発からの汚染水の海洋放出について、岸田政権や東京電力を厳しく批判した。

 岸田政権の決定により、24日にも汚染水の海洋放出が開始されることについて、福島党首は「とんでもない。強く抗議をしたい」と憤った。汚染水について、政府や東電はALPS(多核種除去設備)によって、放射性物質を除去した「処理水」だとしているが、トリチウムは除去されておらず、福島党首は「(基準以下に)薄めると言っても、毒は毒。薄めて海に流すということで、これまで幾度も公害が起きてきたが、それを繰り返すのか」と批判した。また、福島党首は、漁業者を含む福島、宮城、茨城県の住民らが汚染水放出の差し止めを来月にも福島地裁に提訴する見込みであることにも触れ、「なぜこのタイミングで放出するのか」と疑問を呈した。海洋放出の費用等についても、福島党首は「当初は34億円とされていたが、1200億円に膨れ上がった。放出の期間も30年とも50年ともいわれている」と、ずさんを指摘した。

 福島党首は事故を起こした政府・東電の責任を指摘。「高い津波が来て原発が被害を受け得るとの報告を握りつぶした。(当時の)原子力保安院も報告は受けていた。東電、政府にとって事故は想定外ではなかった」と述べた。

その上で、これらの責任から背を向ける東電や政府を批判し、「東電や政府は、放射性物質が減少するまで集中管理すべきなのに、自らの責任を目の前から消すようなかたちで汚染水の海洋放出をするのは本当に間違っている。一度、放射性物質を放出してしまったら、回収できない」と訴えた。福島党首は、福島県いわき市で予定されている集会など、今後も海洋放出反対の動きに連帯することを表明した。