社会新報

【10月25日の福島党首会見】生殖不能要件「違憲」を歓迎~一時的な所得減税は詐欺的

定例会見に臨む福島党首。

 

(社会新報11月2日号2面より)

 

 社民党の福島みずほ党首は10月25日、参院議員会館で会見を行ない、性別変更の要件についての最高裁判断や、中東情勢、岸田政権の税制について語った。
 会見冒頭、福島党首は、トランスジェンダー当事者が性別変更の要件として、生殖能力を失わせる手術を強いることに対し、最高裁が「違憲」と判断したことについて、「画期的な判決」と歓迎した。福島党首は「手術で生殖機能を失わないと性別の変更はできないという要件が、憲法13条の幸福追求権、個人の尊重に明確に反するとしたことは極めて大きいと思う」と評価。一方、「『変更する性別の性器に似た外観を備えている』という外観要件は、高裁に指し戻された。ただ、男性から女性への性別変更は睾丸(こうがん)等を切除しないといけないので、生殖機能を失う。実質、違憲ということにならないか」と指摘した。また「最高裁判決を受け、国会内でも生殖能力要件も外観要件もなくす法律改正を目指したい」と意気込んだ。最高裁の判断については、「選択的夫婦別姓が認められないことも、幸福追求権に反すると思う」と注文をつけた。
 パレスチナ自治区ガザにイスラエル軍が猛空爆を行なっている問題で、福島党首は「今も市民の命が奪われているが、イスラエルが地上戦を行なった場合には本当にすさまじく、子どもや高齢者、あらゆる人が犠牲になってしまう。今、言うべきは、まさに停戦だ。衆参の国会で人道的停戦をすべきだという決議を出せるように社民党は働きかけていきたい」と述べた。
 岸田首相が検討する一時的な所得税減税について、福島党首は「少し減税して大増税を隠すための詐欺的減税だ」と切り捨てた。「公平な税制こそ実現すべきだ。しっかり、臨時国会を闘っていきたい」と意気込み、「社民党は生活、生活、生活と訴えていく」と語った。