社民党の福島みずほ党首は5月30日、参院議員会館で会見し、永住権の取り消しに関する入管法改悪や都知事選について語った。
現在、参院で審議されている入管法改悪案では、永住権を持つ在日外国人が故意に税金等を支払わなかった場合などに、永住権を剥奪するとしている。これに対して福島党首は、「唐突で問題だ」と批判。「有識者会議等で全く議論していない」「将来、永住者が増えた場合の措置だと法務省は言うが、永住者が急激に増える状況ではない」と指摘した。
また、「いま日本には約90万人の永住者がいるが、この人々にヒアリングはされていない」として、法案が当事者の頭越しにつくられたことを問題視した。さらに「(永住権取り消し規定が必要だという)ファクトがない。法務省は7つの自治体に聞き取りに行ったと主張するが、その中身の詳細が一切出てきていない。報告書での記載がない」と指摘した。
今回の法案では、在留カードの不携帯も永住権剥奪の対象となり得る。福島党首は恣意(しい)的な取り締まりを危惧し、次のように述べた。
「在留カードの不携帯について、10年分のデータを出させた。去年は6件だったが、2014年は1500件以上だった。つまり取り締まりキャンペーンをやれば、(違反数は)増える。かつては銭湯の前に入管職員が張り込んでいて、在日外国人の方々が在留カードを持っているか調べて摘発するということもしていた。ゴミ捨てやコンビニに行く際にうっかり在留カードを忘れることもあるだろうが、それで永住権取り消しとなるのは問題だ。永住権の取り消しの条文は削除すべきだ」
6月20日告示・7月7日投開票で実施される都知事選に立憲民主党の蓮舫参院議員が立候補すると表明したことについては、「小池都政では駄目だ。変えていかなくてはならない」として、蓮舫さんを支持した。