社民党の福島みずほ党首は7月4日、参院議員会館で会見し、在日米軍犯罪の隠ぺいや浮島丸事件の公文書などについて語った。
在沖米軍所属の米兵が昨年末に性的暴行の容疑で逮捕され、今年3月に起訴されたことについて、政府側が沖縄県に伝えなかった問題で、福島党首は「日米合意に反する。重大な事件が起きれば、外務省・防衛省に通知し防衛局が自治体に通知をすることになっていたはずだ。それが守られなかったことは大問題だ」と批判した。
また、昨年末以降、米軍兵士による性暴力事件が相次いでいることについて、「性暴力の事件を引き起こした責任は、もちろん米軍にあるが、とりわけ外務省・防衛省にある」として、昨年末の事件を隠ぺいしたことが、その後の事件を招いたと指摘した。外務省が「被害者のプライバシー」を理由に通知をしなかったと釈明していることについても、「1995年の少女暴行事件でも、本人のプライバシーを守って、この問題を皆で共有してさまざまな合意を作った。外務省は、岸田首相が4月に訪米すること、沖縄県議選が6月16日にあること、6月23日が慰霊の日であることを考えたとしか思えない」として、その詭弁(きべん)を批判。「国民が知るべき情報を握りつぶすことは絶対に許されない」と抗議した。
1945年の日本敗戦直後に、在日朝鮮人約4000人を載せた海軍の船が沈没し、多数の犠牲者・行方不明者を出した浮島丸事件についても言及。乗員名簿をフリージャーナリストの布施祐仁さんが情報開示したことを受け、同じものを厚労省に提出させたと報告。「ないと言われていたものがあった。私が入手したものはマスキングされたものだが、韓国政府や遺族にはマスキングしていないものを渡すと厚労省は説明しているので、その方向で進むことを望む」と述べた。