社民党の福島みずほ党首は11月29日、参院議員本館で会見を行ない、同日に行なわれた石破首相の所信表明演説について、「一言で言えば、『もっと改革に踏み込め所信表明演説』だ」としてその煮え切らない内容を批判した。
福島党首は「石破首相は、政治とカネの問題について最後にほんのちょっぴり政治改革の対応としてしか語らなかった」と指摘。「臨時国会は政治とカネの問題が大きな争点だが、石破首相は政治資金パーティーの禁止も、企業・団体献金の禁止も一切言っていない」と批判した。
石破首相の語る「経済全体の活力」について福島党首は「雇用を根本的に変え ていくという姿勢が一切ない。驚いたのは、『デフレ経済の中で雇用は安定してきたが給料は上がらない』と言ったことだ。今、すさまじい物価高の中で、みんな本当に困っている中、デフレ経済という認識はもうないのではないか。しかも、非正規雇用が4割を示す中、雇用は安定しているという認識はあまりにおかしいのではないか」と憤った。
地方創生について、福島党首は「石破首相は宮崎県小林市のフランス語に聞こえる方言を使ったユニークな我が町紹介動画が話題と取り上げたが、政府と地方の財源の割合を変える、戸別所得補償制度を含めて農業支援をしっかり行なうなどしなければ地方創生はありえない」と自治体任せの姿勢に異議を唱えた。
石破首相が闇バイト等について「他者への慈しみや堅実な努力といった日本社会の中で大切にされてきた価値観、道徳感を揺るがしかねないもの」と語ったことについても、福島首相は「若者が低賃金で食べていけなく、闇バイトにとびついてしまうような状況を作ったのは政治の責任だ」と批判し、「大学の授業料の無償化にも取り組むべきだ」と提案した。