社民党の福島みずほ党首は、1月11日、参院議員会館で会見を行ない、増税や安保3文書などについて語った。
岸田政権が行なおうとする少子化対策に関連して、自民党内で「消費税15%に増税すべき」との主張もあることについて、福島党首は「反対だ」と断言。「子どもたちへの支援自体は大切。給食の段階的な無償化や、保育士の配置を増やす等はやるべき」としながらも、「大学受験など、子どもの教育にはお金がかかる。それを改善せず、消費税増税を実施することは少子化対策にならない」として、財源は「内部留保や富裕層への課税を行なうべきだ」と訴えた。
岸田政権が安保3文書改定で示した、防衛費を今後5年間で43兆円とする方針に対し、福島党首は「通常国会が1月23日に召集されたら大論戦が始まる」と徹底追及の構えを示した。防衛装備工場を国有化するため関連法案を提出するという岸田政権の動きについても、「なぜ軍需産業を国有化するのか。公共性の考え方が間違っている」と批判した。福島党首は、今年3月に千葉県で開催予定の国際武器見本市「DSEI Japan 2023」を防衛省が後援することへの批判も併せ、「もっと人の命とか、医療や子育て、(民営化が進む)水道などを大事にするべきではないか」と軍事偏重の公的資金の使われ方に疑問を呈した。
また福島党首は、岸田首相が今年5月に広島県で開催されるG7サミットで「核なき世界」を訴えることに対し、「それならば核兵器禁止条約を批准するべきだ」と、その矛盾を指摘した。
法務省が、2021年に野党などの批判を浴びて断念した入管法改正を再び試みていることについても、福島党首は、「難民認定申請者を強制退去させるなど、前回と同じ内容なら廃案一択」と切り捨て、「難民保護法案などの野党案こそ実現されるべき」だと強調した。