社会新報

【10月3日の福島党首会見】ビジョンも世界観も政策も語られない岸田首相の所信表明~福島党首が会見で厳しく批判

 

(社会新報10月12日号2面より)

 社会民主党の福島みずほ党首は、第210回臨時国会が始まった3日、参院議員会館で会見し、同日の岸田文雄首相による所信表明演説に関し、「所信演説なのに、所信が全く見えない。ビジョンも世界観も政策も全く語られていない」と厳しく批判した。
そして、「岸田首相の持論である『新しい資本主義』というなら『新しい資本主義』で税制や雇用をどうするのか、こういう社会を作りたいからこういう政策を打ち出すという所信がなかった。各役所が用意した非常に薄っぺらい政策の羅列にすぎない」と一蹴した。
また、福島党首は旧統一教会問題に関して、所信表明で「説明責任を果たしながら信頼回復のために各般の取り組みを進めてまいります」と述べている点について「統一教会との関係に関する自民党の調査が不十分で説明責任を果たしていない。まるでひとごとのように書かれている」と怒りの声を上げた。
 さらに「国葬」に関して所信表明で「ご意見を重く受け止め、今後に生かしてまいります」と述べている点について「すでに『国葬』を前にさまざまな反対意見の声が寄せられていたのにもかかわらず無視した。今ごろ何を言っているのか。もう遅すぎる」と強調した。
所信表明で「国民の厳しい意見にも謙虚に丁寧に受け止めることが岸田文雄の原点」と述べたことに対して、「結局、総理の『聞く力』とは言葉だけで、国民の声を聞くつもりなど全くない」と厳しく批判した。
 その上で党首は「人々の生活は急激な円安と物価高の中で疲弊している。年金が下がり、賃金が上がらず、消費税10%のままで、法人税を上げようとしない。みんなが苦しんでいる。コロナ、雇用、医療、介護、国民生活に向き合った所信がない。全く残念な内容だった」と指摘した。