声明・談話

【談話】東日本大震災・福島第一原発事故の日を迎えて

2022年3月11日
社会民主党 幹事長 服部良一 

2011年3月11日、東日本大震災・福島第一原子力発電所の事故から丸11年目を迎えた。死者1万5900人、行方不明者2523人に及ぶ大災害であった。被災し亡くなられた皆様のご冥福をお祈りすると同時に、生活の再建や地域の再生に奮闘してこられたすべての皆様に心からの敬意を表したい。

福島県の一部ではいまなお避難指示が続き、3万8000人以上が避難生活を余儀なくされている。自主避難者を含めれば、避難者の数はさらにふくらむ。復興への様々な努力の一方で、公的支援策は縮小・打ち切りが進み、不安定な生活を余儀なくされている被災者が多く存在していることを忘れてはならない。

こうしたなかで国と東京電力は、福島第一原発敷地内のタンクで保管している放射能汚染水を海洋放出する計画をすすめており、来春にも強行される予定である。40年後の完了をめざした廃炉計画からは「汚染水の発生ゼロ」と「原子炉建屋の解体」などの目標が消えて変質し、トラブルが相次いで予定通りの完了はとうてい見通せなくなっている。多くの被災者や避難者が苦しい生活を続けるなか、事故の責任を果たそうとしないまま、事故の収束を演出し原発再稼働に突き進む国・電力会社の姿勢には、強い憤りを禁じ得ない。

2月24日、ウクライナに侵攻したロシア軍は、侵攻直後にチェルノブイリ原発を制圧し、3月4日にはウクライナ南東部のザポロジエ(ザポリージャ)原発も掌握した。3月9日にはチェルノブイリ原発の電力供給が切断されたと報じられている。原発の安全を脅かす軍事行動は言語道断だ。原発内の放射性物質が拡散すればひとりウクライナだけではなく、ロシアをも含む広範な地域を汚染することになる。地球環境と人類への攻撃というべき暴挙であり、絶対に認められない。

3.11東日本大震災・福島第一原子力発電所事故の日に、世界でこのような「原発の危機」が起きていることは残念でならない。社民党として「核と人類は共存できない」との思いをあらたにすると同時に、被災者・被害者一人ひとりの「人間の復興」をめざす決意を重ねて表明するものである。

以上