2022年9月27日
社会民主党幹事長 服部良一
本日午後2時から日本武道館で、多くの反対を無視して安倍元首相の国葬が強行された。社民党は当初から国葬の中止を求めており、国葬の強行に対して強く抗議する。国会前に1万5000人もの市民が集まって国葬反対の声を上げたほか、全国各地で反対の声があがった。世論調査での反対は賛成の2倍にも達し、国葬への参加者は招待者の7割程度・4300人にとどまり、「弔問外交」もG7の首脳は欠席するなど国葬強行の言い逃れとしか聞こえない。
まず国葬には法的根拠がない。内閣府設置法4条3項は所管を定めた手続法でしかなく、国葬の根拠法とはならない。天皇主権の国葬令は戦後国民主権と相入れないとして廃止された歴史の事実は重たい。
また国権の最高機関である国会の議論・承認がないまま、閣議決定で一方的に決定したことは、国会無視であり民主主義の基本ルールを踏みにじる行為である。しかも国費を使う以上、財政民主主義の立場らも国会同意が必須である。
国葬は弔意を強制することになり、思想・良心の自由を侵害する。強制はしないと言うが、国葬をすること自身が安倍元首相の評価を国民全体に押し付ける効果を生む。
安倍元首相は最も国葬にふさわしくない人物だと言える。日本を戦争国家へ誘導し、格差貧困を拡大し、公文書改ざんなど民主主義と立憲主義を踏みにじった最悪の政治家である。外交でも対米従属を深化させた以外のなんの実績もない。岸田政権・自民党は旧統一教会と絶縁すると言いながら、最も関係の深い安倍元総理を国葬にするという茶番を演じたのだ。
10月3日から臨時国会が開会予定だ。旧統一教会と国葬問題を幕引きさせてはならない。現在の関与だけでなく戦後政治史における旧統一教会と自民党の闇の関係を徹底究明し、ジェンダー問題など政権の政策や改憲論議への影響の検証、宗教法人法における反社会的カルト集団の位置づけや線引き、被害者の救済など国会に調査委員会を設置して解明をしていかなければならない。
この国葬を自民党政治の終わりの始まりにしよう。日本の民主主義の復権につなげていこう。
以上