2023年11月20日
社会民主党
幹事長 服部 良一
本日、衆議院本会議で国立大学法人法改正案が通過した。本改正案は、国立大学の自治を破壊し、大学へ政府の支配力を強めるもので、社民党は断固反対である。
本改正案は、一定規模以上の国立大学を「特定国立大学法人」に指定し、「運営方針会議」の設置を義務付ける。「運営方針会議」は3人以上の委員と学長で構成され、大学の中期計画、予算、決算などの決議ができる。さらに、大学が決議内容に従わない場合、学長へ改善措置の要求ができ、学長選考へも意見できる。
このように強い権限を有する「運営方針会議」の委員選定は、学内で協議した上で文部科学相の承認を必要とする。文科省はこの承認は「形式的なもの」と説明しているが、2020年には日本学術会議任命拒否問題が起きている。この任命も「形式的なもの」であったはずだ。政府による大学への介入が起きることは容易に想像できる。
さらに本改正案は、大学の土地の貸付けや、債券発行の規制を緩和する。2004年の国立大学法人化以降、研究費などへ使用できる運営費交付金は1割以上削減されている。研究費等を稼ぐために、大学の土地を企業へ貸付け、大学が企業にとって稼げる場に変貌する恐れがある。
以上のように、大学の自治を脅かし、政府の介入をより強化する本改正法案は廃案にするべきである。そのためにも、社民党は国会内外で全力を尽くしていく。
以上