声明・談話

【談話】悪法の相次ぐ採決に抗議する

2023年4月28日

社会民主党幹事長 服部 良一

 

 軍拡予算成立後、しかも統一自治体選挙で十分な議論の間もないまま、重要法案・悪法が次々と衆議院で採決されている。軍拡を加速させ原発政策の大転換、難民の退去強制の促進など、平和・環境・人権を無視、逆行する法案のオンパレードであり、強く抗議する。

 

  1. 「防衛産業基盤強化法案」は昨日4月27日の衆院安保委員会で自民・公明・立憲・維新・国民各党の賛成で可決され、5月9日の本会議で採決予定である。この法案は防衛産業の施設・設備を国有化可能にするだけでなく、防衛産業活性化のために海外輸出への助成金支給もできることとなる。立憲民主党は附帯決議を条件に賛成とした。しかしそれが担保される保証もないばかりか、武器輸出や防衛産業の強化は平和憲法の理念とは相いれず、容認することはできない。
  2. 原発政策の大転換となる「GXグリーン・トランスフォーメーション束ね法案」は28日の参院本会議で、自民・公明・維新・国民各党の賛成で可決された。「3・11」の大事故の教訓を無視し、60年越えの老朽原発の稼働を可能にするだけでなく、新増設にも道を開くものであり、断固反対である。福島原発の汚染水の海洋放出もこの夏強行されようとしており、地元漁協の反対はもちろん海外からも懸念や反対の声が上がっている。社民党は引き続き脱原発へ向けた闘いに奮闘する。
  3. マイナンバー改定法案も、4月27日の衆院本会議で自民・公明・維新・国民各党の賛成で可決された。これは24年秋に健康保険証を廃止しマイナ保険証に一本化するものであり、また運転免許証の一本化や銀行口座もマイナンバーの紐づけも可能となり、利便性の宣伝とは裏腹に国による国民の情報管理が強化されていくのは明らかである。健康保険証廃止に対しても多くの国民からの不安の声があがり、医療現場では混乱も予想されており、強引な手法への抗議の声は広がっている。
  4. 入管難民改正法は、本日の衆院法務委員会で採決が強行された。3回目の難民申請中で強制送還を可能とするなど明らかな難民追放政策であり、在留資格のない子どもの存在など人権上の問題を放置した法案である。この間修正協議も行われてきたが、自民・公明・維新・国民各党の賛成で採決となり、連休明けの本会議で採決となる。

 いずれの法案も社民党は断固反対であり、今後の衆議院での採決の動向も見つつ、参議院での審議において頑張っていくと同時に、反対世論の構築のためにあらためて奮闘する決意である。5月3日憲法記念日には、社民党・新社会党両党の「新しい戦前にさせない!平和力の結集へ」の共同声明を発信し共同の街宣を実施する。今後とも思いを同じくする多くの仲間とともに、憲法を活かし、くらしといのちが最優先される平和国家の創造に向けて頑張って行こう!