社会民主党幹事長 服部 良一
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本日、政府は4月25日から5月11日までの17日間、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県について3度目となる緊急事態宣言を発出することを決定した。この他、宮城、沖縄、埼玉、千葉、神奈川、愛知の6県ではまん延防止等重点措置が実施され、愛媛県も追加されることとなった。2回目の緊急事態宣言解除の際に感染症の専門家や社民党をはじめとする野党が警鐘を鳴らしていたリバンドは明らかに発生し、大阪、京都、兵庫については解除から1ヶ月半強、東京については1ヶ月弱で再び緊急事態宣言を発出せざるを得なくなった。とりわけ大阪では深刻な医療崩壊が発生している。自宅での療養を余儀なくされた方々の急死も相次ぎ、影響は一般診療にまで及んでいる。病床数を削減し公立・公的病院の統廃合など医療体制を崩壊させてきた新自由主義政策や社会的検査を怠ってきた菅政権の新型コロナウイルス対策こそが日本に暮らす人々の精神的・経済的負担を長期化、深刻化させていることはもはや明らかである。
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過去2回の経験やまん延防止等重点措置の実施自治体や独自の緊急事態宣言を発出する自治体が増加していることを踏まえ、この度の緊急事態宣言は4都府県に留まらず広範囲に発出されるべきである。また、ゼロコロナを達成するという目的に照らせば、新規感染者数が減少し、リバウンドの可能性が極めて低いあるいはないことが確認できた時に解除が可能となるのであり、政府が予定している17日間は感染を抑え込むにはあまりに短すぎる。
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もともとの社会保障の手薄さに加え新型コロナ対応としての補償・給付の不十分さと度重なる緊急事態宣言によって経済的に困窮し、精神的に疲弊する人々が激増している。西村経済再生担当大臣は本日の参議院議院運営委員会で「強い要請をお願いしている」と述べたが、緊急事態宣言下の強い措置とは要請ベースでも、ましてや取締りベースでもなく、中小を中心とする事業者や労働者に対する休業補償、経済的困窮を防止するための給付、そして最後のセーフティネットである生活保護制度など社会保障の強化・実施徹底でなければならない。
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3度目の緊急事態宣言を最後の緊急事態宣言にしなくてはならない。社民党は医療従事者・医療機関への最大限の支援提供のために最大限の取り組みを行う。同時に経済的困窮状態にある人々を主たる対象とした給付、事業者と労働者に対する休業補償の水準向上に努める。非正規労働者に対するテレワーク差別やシフト制であるが故に休業補償がなされない問題に対しては国会審議はもとより幅広い労働運動と連帯しながら解決をはかる。自治体単位では大型連休中にも福祉事務所を開けておくことや、電話での連絡・相談が可能な体制をとることを要請し、緊急事態宣言下において誰ひとり取り残されることがないように全力をあげる決意である。