【談話】2025年度補正予算案に対して
2025年12月8日
社会民主党全国連合幹事長 服部良一
去る11月28日、「責任ある積極財政」を標榜する高市内閣は、18兆3034億円にのぼる2025年度補正予算案を閣議決定した。これは、コロナ禍への対策で金額が膨らんだ20~22年度をのぞけば、過去最大規模となる補正予算である。またその財源は、6割以上にあたる11兆6960億円を新規の国債発行によって賄うとしている。
社民党は、国民の生活を支えるために積極的な財政出動をすること自体は否定をしない。そのための財源として国債を発行することも、一定の節度の中で容認する立場にある。だが、今回の補正予算に関して言えば、子ども1人あたり2万円給付や、おこめ券の配布、来年1~3月という期間限定の電気・ガス代補助など、相変わらずその場しのぎの対処療法的なバラマキでお茶を濁そうとする無責任な内容であると言わざるを得ない。国民からの要望が最も大きい消費税の減税については、微塵も検討する気がないことを見ても、高市首相に本気で国民の苦境に向き合おうとする意欲は感じられない。
そもそも高市政権の財政政策への懸念から円安が進めば物価対策に水を差す結果にもなりかねない。緊急性の有無など精査が必要だ。
その一方で、高市政権の本質が端的に表れているのが、1.1兆円にのぼる防衛費の増額である。これにより27年度までの5年がかりで進めるとしていた防衛費の対GDP比2%達成が2年前倒しで実施される見込みとなった。社民党は、そもそもこの防衛費倍増計画に強く反対してきたが、補正予算に盛り込んでまで加速させることには、一層何の必然性も見出せない。もとより防衛予算は国内経済への波及効果が低い分野である。物価高で国民の暮らしが苦しい中、アメリカの防衛産業ばかりを潤し、東アジア地域の緊張をいたずらに増すような防衛費の大幅増額は、愚策としか言いようがない。
国内経済への波及効果がないという意味では、将来の対米投資に向けた基盤強化の予算として盛り込まれた3700億円も同様である。これは、今後80兆円規模で予定されている対米投資そのものと比べれば、僅かな前金程度に過ぎないが、アメリカのご機嫌をとるために国内の資産を献上するという露骨な対米従属の第一歩として象徴的な内容と言える。アメリカ国内においてさえトランプ大統領の関税政策に違憲判決が出ているような状況で、このような姿勢を取り続けることが正しいのか、改めて議論を求めていく。
また、高市政権の軍拡的性格を踏まえると、造船業の再生に向けた基金1200億円や、AI研究開発・利活用推進のための予算1895億円などについても注意深く中身を見極めていく必要がある。これらは、軍事目的への転用も容易に行える分野であり、国を挙げて軍需産業の保護・育成を図りたいという政権の裏の意図が隠されていないか、警戒をしていく。
以上のように、今回の補正予算は総じて、対米追従・軍拡推進に突き進む高市政権の姿勢が色濃く反映された内容である。厳しい物価高の状況下、国民の暮らしを守るために全力を尽くすべき時に、自己満足的な軍事費の増大を優先した補正予算は、「責任ある積極財政」とは真逆の「無責任な放漫財政」であると断ぜざるを得ない。
社民党は、国会での審議において、「ミサイルよりコメを!」の立場に立ち、国民一人ひとりの暮らしを守り支える予算への修正を求めて声を上げていく。