2022年7月22日
社民党幹事長 服部 良一
- 7月22日、原子力規制委員会は、福島第一原発放射能汚染処理水の海洋放出設備の設置にともなう計画変更を、正式に認可した。東京電力は今後、地元の同意を得たうえで、工事を本格的にはじめる方針で、23年春頃の放出開始を目指しているとのことである。
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社民党は、①そもそも放射性物質は集中管理が原則で環境中に放出すべきではないこと、②漁業関係者や市民から強い反対の声が上がっていること、③有効な代替案が提案されているにも関わらず十分な検討が行なわれていないこと、③国際社会からも批判の声があがっていること、④公聴会・説明会等も開催されておらず合意形成のプロセスに問題が多いこと、などを指摘し、放射能汚染処理水の海洋放出に強く反対してきた。
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福島県では 59 市町村のうち 41 市町村議会が、海洋放出へ反対か慎重とする意見書や決議を可決している。最近のアンケート調査でも59のうち49の市町村長が地元との合意形成があまり「進んでいない」と答えている。
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なかでも汚染処理水放出が生業(なりわい)に直結しかねない漁業者は、強く反対している。政府・東電は2015年、福島県漁連と「関係者の理解なしにいかなる処分もしない」と文書で約束しており、明らかな約束違反である。
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放射性物質をどんなに薄めても放射能の総量は変わらない。安易に拡散させることは許されない。政府・東電は海洋放出計画を中止し、幅広い世代、立場の市民の声にも耳を傾けながら、代替案について真摯な検討を行なうべきである。
以上