声明・談話

【談話】袴田さんに無罪判決!検察は控訴するな!

幹事長 服部良一

 

 昨日9月26日静岡地裁は死刑が確定していた袴田さんに再審無罪を言い渡した。判決で検察の証拠を捏造と断罪し、「肉体的、精神的苦痛を与えて供述を強制する非人道的な取り調べ」であったと捜査機関を厳しく非難した。検察はこの判決を重く受け止め、控訴を断念すべきである。

 

 一家4人の殺人事件から58年、袴田さんは最初から無罪を主張したが、拷問に等しい非人道的な取り調べで自白を強要された。しかも事件から1年2か月も経って見つかったとされる「血痕のついた5点の衣類」が「確定証拠」とされたのも極めて不自然なものであった。無罪までの道のりはあまりにも長かった。第一回の再審請求から再審確定までに42年もかかったことは異常だ。検察官は即時抗告をし、検察は証拠開示を拒否し続けた。第二次再審請求からも16年、2014年再審開始決定からも10年の月日が経過した。検察によるこれほどの人権侵害があるだろうか!

 

 またこの判決を受けてマスコミ各社は「人権侵害 お詫びします」(毎日新聞編集局長)など謝罪記事を掲載した。容疑者が犯人と確定しない前から捜査機関の発表を鵜呑みに報道していた姿勢にも大きな反省が求められるのは当然だ。

 

 今回あらためて再審制度の問題点が浮き彫りになった。証拠開示の仕組みがないことや、検察官の抗告禁止など早急に法改正を行い、「無実の人の救済」の再審制度の原点に立ち返った法整備を行うことが重要だ。

 

社民党は袴田さんの冤罪事件解決のために長年奮闘してきたが、さらなる法整備実現に向けて力を尽くしていきたい。