憲法違反の「安倍国葬」強行に抗議~国会正門前で1万5000人の怒りが沸点に
(社会新報10月5日号1面より)
安倍元首相の「国葬」が日本武道館で強行された9月27日午後2時と同時刻に、国会正門前では「安倍元首相の国葬に反対する実行委員会」が主催する大行動が展開された。国会周辺を埋めた1万5000人の「国葬」への怒りの熱さは沸点に達した。
◇
主催者を代表して「憲法9条を壊すな!実行委員会」の菱山南帆子さんがあいさつ。「いま武道館で行なわれている『国葬』は、自由民主党による自由民主党の『お葬式』だ。今日から自民党は自由も民主も捨てたカルト政治家をまつり上げるカルト依存の政党になった」と「国葬」強行を厳しく批判した。
立憲野党から、社会民主党の福島みずほ党首、立憲民主党の近藤昭一衆院議員、日本共産党の志位和夫委員長、れいわ新選組の櫛渕万里衆院議員が連帯のあいさつをした。参院会派「沖縄の風」のメッセージが読み上げられた。
福島党首は、あいさつの中で「『国葬』に断固反対だ。道理がない。国葬令は日本国憲法が施行されると同時に廃止され、法的根拠はない。現憲法の法の下の平等(憲法14条)や思想・良心の自由(19条)などに反する国葬令は廃止になった。吉田茂さんの時の一例だけで、先例としないと言われた。佐藤栄作さんも『国葬』になっていない。何でもかんでも閣議で決められると思ったら大間違いだ」と批判した。
そして福島党首は「安倍元首相の政治は何だったのか」と問いかけ、「憲法破壊、軍拡、歴史修正主義、そして秘密保護法、安保関連法、共謀罪など、たくさんの違憲の法律を強行成立させた。森友・加計学園疑惑のほか、桜を見る会で118回も国会でうその答弁をしたと認定されている。国政を私物化し、差別と排除を生み、社会に分断をもたらしたのが安倍政治だった」と怒りの声をふり絞った。
また、党首は統一教会と癒着した安倍元首相について、「生活・人生・家庭を壊す統一教会の霊感商法を応援してきたことを、許してはならない」と強調した上で「安倍政治をみんなの力で葬り去ろうではないか」と呼びかけた。
学者や市民らが次々とマイクを握り、田中優子・前法政大学総長は、「『国葬』は大日本国憲法の遺物である。これを認めて不断の努力を怠ったら、ファシズムへの道だ」と警鐘を鳴らした。
北信越・近畿・九州で街宣
福島党首と大椿副党首訴え
「国葬」が強行された9月27日の4日前の23日からの三連休、社民党全国連合は、福島みずほ党首と大椿ゆうこ副党首が北陸信越(石川県金沢市)、九州(福岡市・熊本市)、近畿(神戸市・大阪市)の3ブロックに駆けつけ、現地の党府県連とともに「国葬反対! 全国街宣行動」を展開した。
60%を超える「国葬」反対の世論を背景に、社民党として最後の最後まで憲法違反・民主主義を無視した「国葬」に反対するとともに、安倍元首相が行なってきた数々の違憲立法、差別と分断、貧困と格差の拡大を通して国民生活をボロボロにしてきたこと、しかもそれが旧統一教会とズブズブの関係の中で進行してきたことを明らかにすることが目的であった。
そして、岸田政権を退陣させ、自民党政治に終止符を打ち、国民のための政治を一日も早く取り戻すために、県民・市民とともに社民党として闘う決意をアピールするためでもあった。
各地では多くの市民が立ち止まり、若い人や高校生も最後まで党首・副党首の街宣に耳を傾けるなど、これまでにない市民の怒りが結集した。
民主主義を根底から無視し憲法改悪に突き進む岸田政権にとって、「国葬」は彼ら自身の「お葬式」であったことを確信した。(内)