全国の仲間のみなさん。第94回メーデーに集うみなさんに心から連帯します。家計を圧迫する物価高騰を受け、大企業は5%程度の賃上げ要求に応え、大幅賃上げに踏み切りました。組合員の要求が実現した意義は大きいものの、中小民間企業の春闘は続いており、社民党としてもみなさんの生活を守るべく支援活動を続けていきます。
世界規模での感染症拡大は、わたしたちの命、尊厳に直結する重い責任を担う人たちへの差別と、搾取を前提とする資本主義の暴力性を浮き彫りにしました。ジェンダーに基づく暴力の悪化と人権侵害は深刻であり、国連は、このままではジェンダー平等達成のために300年もかかると警告を発しました。不当解雇や過労死、ハラスメント、就職・職業差別などから人々を守る法制度が必要です。8時間労働ができない人や、遠隔操作ができないケア・再生産労働を担う人の意見は、男性・健常者中心の議会、制度において軽視され続けてきました。利潤追求の市場任せでは、人権がないがしろにされてしまうことは明らかです。
率先して差別撤廃に取り組むべき公官庁が、障害者雇用の水増しをしていたことをはじめ、短期雇用・低収入の劣悪な条件を多くの女性に押し付け、必要なとき病院にもかかれない苦境に追いやっています。これらは人間の尊厳・健康を著しく毀損し、貶め、生存権を奪うものです。「子育て支援」を謳いながら、人びとのリプロダクティブヘルス&ライツさえ保障しない日本政府は、国ぐるみでジェンダー差別を助長し、女性や移民などマイノリティを差別・排除しているとの謗りを免れません。
岸田政権は、2011年に東京電力の原発が引き起こした未曽有の人災と人権侵害に対する誠実な反省と補償をするどころか、二酸化炭素を減らすためと騙り原発再稼働を強行しようとしています。いわゆる「安保3文書」を閣議決定し、財政の単年度主義を無視した大軍拡を強引に既成事実化しようとしています。食べることもままならない子どもたちや困窮者が増えるなか、人命を奪う軍事産業で私腹を肥やそうとする人道に反する企みや、憲法と議会に対する冒涜をこれ以上許容することはできません。
個人の権利を侵害するマイナンバーカード強制や、人々から生活の糧を奪うインボイス制度なども、わたしたちが力を合わせて阻まなければなりません。雇用形態による差別はもちろん、有償労働の機会から排除されている人たちとの連帯を阻む卑劣なやり方も許しません。社民党は、最低賃金全国一律1500円以上への早急な引き上げや、社会保障制度の個人単位化を目指すほかにも、会計年度任用職員制度や外国人技能実習制度など、人を差別し、使い捨てにし、わたしたちが人間らしい生活を送る権利を踏みにじる制度をなくすため取り組みます。
2023年5月1日
社会民主党
党首 福島みずほ