(社会新報6月21日号2面より)
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発がん性や生殖・免疫機能への影響などが指摘されている有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)による水汚染問題が国会で追及されている。
社民党副党首の新垣邦男衆院議員(会派=立憲民主党・無所属)が6月9日の衆院環境委員会で取り上げた。
PFASは、PFOS、PFOAなど4700種類あるとされる有機フッ素化合物の総称。テフロン加工のフライパンなど生活雑貨をはじめ、半導体の製造工程などで多岐にわたり使用され、特に米軍基地での消火訓練に使われる泡消火剤に多く含まれる。
米国環境保護庁(EPA)は今年3月、飲料水中のPFOS、PFOAの規制値案を1リットル当たり4ナノグラム以下と公表した。
新垣議員は、「日本では暫定目標値として1リットル当たり50ナノグラム以下とされているが、規制値が設定されていない。日本もEPAが示した4ナノグラム以下に規制値を設定してしかるべきだ」と指摘した。
また、新垣議員は、環境省が総合戦略検討専門家会議で国民への情報発信のためのQ&A集を4月以降に公表するとしていたが、まだ公表されていないことについて、「公表のめどはたっていないのか。PFAS問題では住民への血中濃度検査が必要だと思うが、Q&A集の回答で血中濃度検査の必要性に触れるのか」とただした。
これに対して西村明宏環境相は、「夏ごろをめどとして最終的に取りまとめて、Q&A集を公表したい。血液検査も内容に含める予定」と答弁した。