社会新報

【主張】改憲派の策動~改憲発議阻止へ野党共闘の強化を

(社会新報6月21日号3面より)

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 岸田首相は今国会の施政方針演説で改憲について「先送りできない課題」と表明した。衆院では憲法審査会が3月以降、ほぼ毎週開かれるなど、大軍拡となった今年度予算などの動きと合わせ、改憲派は改憲に向けた動きを急ピッチで進めている。
 自民党の狙いが改憲4項目(自衛隊の明記、緊急事態条項の創設、参院選の合区解消、教育の無償化)、とりわけ、9条への自衛隊の明記にあることは間違いない。
 その先例として今国会では緊急事態における国会議員の任期延長のとりまとめを憲法審査会で行なおうとしていると思われる。
 憲法54条は「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる」としている。
 これについて改憲派は、これでは「有事」に対応できないとして、憲法に緊急事態条項を創設し、議員の任期を延長するよう主張している。
 しかし、任期が延長された国会議員が法律を制定すれば「臨時の措置」とはいえず、「平時」にも効力を持つ法律なども制定されることになる。
 「いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣はその(臨時国会のこと―引用者注)召集を決定しなければならない」(憲法53条)とあるにもかかわらず、自公政権は17年、21年と野党が要求した国会召集を行なうことはなかった。
 改憲派がいう「国会機能の維持」は、単なる口実にすぎない。改憲派のもくろみが通るようなことになれば、当時は世界で最も民主的といわれたワイマール共和国時代に250回以上も緊急事態条項が発動され、ヒトラー独裁への道を開いたドイツの二の舞になりかねない。憲法を守らない改憲派に改憲発議をする資格などない。
 5月3日の憲法記念日には全国各地で改憲に反対する集会やデモが開かれた。
 東京・有明の憲法大集会には2万5000人が参加した。入管法改悪案やLGBT「理解増進」法案などに反対する声は、大きな広がりを見せた。
 社民党は改憲発議阻止で一致する全ての立憲野党との共闘を強めるとともに、大衆運動の一層の強化、前進を図る決意だ。その取り組みは近く実施されるであろう総選挙にも必ず結びつくと確信する。