社会新報

【訃報】渕上貞雄副党首が死去~消費税廃止を求め国会論戦

                 渕上貞雄元副党首

 

(社会新報10月25日号2面より)

 

 社民党で副党首を務めた元参院議員の渕上貞雄さんが10月13日朝、福岡県久留米市内の病院で、がんにより死去した。86歳だった。
 渕上さんは1937年に福岡県田川郡に生まれ、幼少期を「満洲国」の撫順で過ごした。敗戦後の47年に日本に引き揚げ、福岡県立浮羽高等学校を卒業後、57年に西日本鉄道にバスの車掌として入社した。その後、西鉄労組や私鉄九州地連等で組合活動に30年以上従事した。情に厚く「ふっちゃん」の愛称で親しまれた。
 89年の参院福岡選挙区補欠選挙に日本社会党公認で立候補し、強引に導入された消費税問題やリクルート疑惑などへの怒りの声を背景に初当選し、消費税廃止を求めて国会論戦を行なった。92年の参院選で比例代表に転じ、4回連続当選。この間、社民党の副党首や参議院議員会長、選挙対策委員長、私鉄総連の顧問などを歴任。
 社民党が鳩山由紀夫連立内閣に参画した期間、副党首として福島みずほ党首を支え、与党内の調整などで尽力した。『巨悪にかつ』(08年)などの著書がある。
 10年の参院選挙に立候補せず、政界を引退した。