2024年3月27日
社会民主党
幹事長 服部 良一
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- 昨日、岸田政権は次期戦闘機など国際共同開発した殺傷武器の完成品を第三国輸出することを解禁する閣議決定をした。閣議決定を受け、国家安全保障会議(NSC)で、「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定した。社民党は、もとより日本を「死の商人」とする武器輸出のさらなる解禁について自民党と公明党間の密室協議だけで進めていたことに強く抗議してきたが、今回の閣議決定は日本の平和主義を根底から覆す重大な方針転換であり、国会で審議すらせず強行したことに断固抗議する。
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日本は1967年に当時の佐藤栄作内閣が、①共産国、②国連安保理決議で禁止されている国、③紛争当事国やその恐れのある国、への輸出を禁じたことにはじまり、1979年に三木武夫内閣がこれを事実上の禁輸とした。この「武器輸出三原則」は長年の国会論戦や国民的議論の中で定着し、平和国家として「死の商人」にはならないという我が国の平和主義を具現化する基本政策となってきたし、国際紛争を助長させない縛りとして大きな役割を果たしてきた。
ところが、2010年より「武器輸出三原則」を緩和する方向の議論が噴出し、2011年の野田政権では武器の国際共同開発の包括的例外化がなされた。そして、2014年4月に安倍政権は「武器輸出三原則」を撤廃し「防衛装備移転三原則」を閣議決定、例外化していた武器輸出の条件を緩和した。ただ、殺傷武器の輸出は回避されていたが、それも昨年12月の「防衛装備移転三原則」の運用方針改定により可能となった。この時、国際共同開発した完成品の第三国輸出は、「平和の党」を自称する公明党によって見送られていたが、昨日の閣議決定により可能となってしまった。
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日本は平和憲法の下で、戦後国会内外で議論を積み重ねて武器輸出をしない社会を創り上げてきた。世界中に武器を売る「死の商人」となる道が、戦争を放棄した平和国家・日本の進むべき道とはとうてい考えられない。
昨日の閣議決定により第三国輸出が解禁されるが、次期戦闘機の完成は2035年を予定している。私たちには武器輸出を止める時間がまだある。社民党は武器輸出を止めるために、平和を希求する市民の皆さんと共に全力を尽くしていく。
以上