(社会新報2021年10月13日号2面より)
社民党の福島みずほ党首は6日、参院議員会館で記者会見を開き、4日に発足した岸田文雄新内閣が予算委員会も開かず、当初の予定を早めて10月31日の衆議院選挙投開票を決めたことに強く抗議するとともに、「この内閣はいったい何をやるのかよく分からない『大丈夫か内閣』だ」と指摘した。
福島党首は冒頭、来る衆院選について「全員当選を目指す」と決意を強調しながら、岸田新内閣が首相の所信表明と代表質問だけを行ない、予算委員会を開かずに選挙戦に入るスケジュールを決めたことを批判した。「これでは、各委員会で大臣の所信表明も一般質疑もやらないことになる。岸田新首相は衆院選について『新内閣を信任するかどうかの選挙だ』と述べたが、何をするか分からないような内閣をどうやって信任できるのか。ボロを出す前に選挙をやろうという狙いだ」と強く指弾した。
その上で福島党首は「岸田首相は国民の声ではなく、安倍晋三元首相や麻生太郎前財務相らの言うことを聞いて組閣した。今回の選挙は国民の命と暮らし、人権を守る勢力と、守ろうとしない勢力との激突だ」として、「コロナで困っている人々への共感力がなく、自分たちの中だけの政治をやる自民党に代わり、国民が未来を決める政治を実現するための選挙にしよう」と訴えた。
さらに福島党首は、自民党の新幹事長に甘利明税制調査会長が起用された人事に関し、2016年に甘利経済再生担当相(当時)が建設会社から大臣室で現金などを受け取り、閣僚辞任に追い込まれた問題を取り上げて、「心底驚いた。ひどい人事だ」と強調。「自民党は森友・加計疑惑や『桜を見る会』の会計不正、広島の1億5000万円の問題などを究明すべきなのに、新幹事長人事は何もしないと宣言したに等しい」と、怒りを表明した。