社会新報

福島党首定例会見で批判-支給が遅すぎる経済対策 「思いやり予算」急増にメスを-

(社会新報2021年12月8日号2面より)

 

社民党の福島みずほ党首は11月24日、参院議員会館で記者会見を行ない、政府が決定した総額約55兆円の経済対策について触れ、「国民生活が困窮しているのだから、もっと早く決めて支出すべきだった」と、これまでの政府の対応の遅れを強く批判した。

福島党首は、今回の経済対策について「野党が主張した雇用調整助成金の継続などが盛り込まれた」と一定程度評価しながらも、「支給が遅すぎる。もっと早く支給されれば倒産せずにすんだり、生活が追い詰められることもなかったケースもあるはずだ」と強調。

「通常国会の終了後、野党が憲法の規定に基づいて臨時国会を開くよう要求したが政府・与党は拒否した。衆院選の前に国会を開き、十分な議論をして支援を決定すべきだった」と述べ、政府の猛省を促した。

また福島党首は、経済対策に盛り込まれた18歳以下を対象とした1人当たり10万円相当の給付について、「子どもを抱えた親の支援にはなるものの、すでに親元を離れたりして、自身がおカネを必要にしている18歳以下の人たちに対してはどういう支援になるのか」と疑問を提示。「今後、本当に困窮している家庭に支援が届いているかどうかを含め、国会でしっかり議論していきたい」と述べた。

さらに、国会議員が任期1日だけで「文書通信交通滞在費」が100万円支給されている問題について、「1日しか勤務していないのに、100万円も支給されるのはおかしい。法律で日割りと規定するよう改めるべきだ」と提案した。

同時に「おカネの問題なら、米軍への『思いやり予算』の伸び幅が過去最高になった。また、自衛隊の装備品に納入する部品価格が10倍に跳ね上がったり、官房機密費の問題もある」として、国会でメスを入れていく意欲を表明した。

 

 

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