(社会新報2022年4月6日号1面より)
社民党は3月20日、第19回定期全国大会に引き続き「9条改憲を阻止し、ゆるぎない非核・平和の日本を!非正規・貧困社会からの脱却!」をスローガンに、「参院選勝利総決起集会」を都内で開いた。参加した300人の党員や支持者は、党の存亡を賭けた戦いの勝利を誓い合った。
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司会を常任幹事の伊是名夏子さんが務めた。
冒頭、主催者を代表してあいさつに立った福島みずほ党首は、7月の参院選について「党にとって正念場だ」と強調。「得票数2%を維持できなければ政党要件を失い、次の国政選挙を戦うのが非常に困難となる。得票数120万票で1人が当選する計算だが、昨年の衆院選の得票数は100万票ほどで、このままでは議席を失う」と危機感を表明しながら、「社民党は、日本の政治にどうしても必要だ」と、全党員の奮起を呼びかけた。
また福島党首は、「岸田政権が、9条の改憲で日本を戦争のできる国にしようとしている」と批判。「ウクライナで示されたように、戦争は多くの人々を苦しめるだけだ。かつての戦争による300万人の国民の犠牲の上に獲得した憲法を今こそ活(い)かし、守らなければならない」と述べた。
新自由主義から脱却
さらに福島党首は、新自由主義から社会民主主義への転換を提起。「人々が生きられ、尊厳が守られる社会にするために何としてもみんなの力で参院選に勝利しよう」と重ねて訴えた。
続いて来賓のあいさつに移り、新社会党委員長の岡﨑ひろみさんは「26年前にそれぞれの道を歩み出した新社会党と社民党だが、改憲勢力が台頭し保守政権が好き放題している現状を放置できない」と、共に参院選を戦う決意を表明。
緑の党グリーンズジャパン共同代表の橋本久雄さんは、「昨年の総選挙より厳しい情勢だが、護憲だけではなく、希望を語ることのできる、生活に根差した政策も必要だ」と要請した。
全労協の渡邉洋議長は、「長引くコロナ禍でフリーランスや非正規労働者、外国人は仕事を奪われて女性の自殺者が急増している。立憲野党の要となる社民党と共に、闘っていきたい」と連帯を表明した。
今こそ社民党の出番
さらに、「許すな!憲法改悪市民連絡会」事務局長の菱山南帆子さんは「憲法を守り、労働者や女性、弱者のために闘ってきたのが社民党だ。今こそ、社民党の出番だと声を大にして訴えたい」と熱を込めて語り、「参院選では、全力で社民党を応援する」と熱烈なエールを送った。
体調を崩しながらも「出席できないという場合ではない」と駆けつけた評論家の佐高信さんは、「ウクライナの戦火によって、憲法の価値は高まった」としながら、参院選の政策として「食料自給率のアップ」と「非正規・懐憲のストップ」を掲げた。その上で佐高さんは、自民党幹部と会食を重ねる連合会長の姿勢を「連合は自民党と連合した」と厳しく批判し、戦争への道を阻止するために、連合加盟労組の組合員も社民党に投票すべきと訴えた。
松崎菊也さんと石倉チョッキさんによる政治風刺コントが披露された後で、参院選全国比例代表の各予定候補が決意表明。最初に福島党首が「社民党は大きな党ではないが、これまで多くの市民と力を合わせ、実績を上げてきた。何としても国会に残り、改憲を阻止する」と発言。次に大椿ゆうこ副党首は、「福島党首の議席を失うわけにはいかない。それ以上に、複数の議席を獲得することがどうしても必要だ」と強調した。
在日コリアン出身のキム・テヨンさんは、「髪を染めた若者たちで党大会の会場がいっぱいになるのが夢だ」と述べ、「共にこの殺伐とした社会を変えていこう」と訴え、新社会党青年女性委員会代表のおかざき彩子さんは「ロスジェネ世代」としての自身の過去を振り返りながら、「競争がすべてで、強い者が良いとする先はファシズムだ。人間らしく生きられる社会を目指そう」と語った。
沖縄を戦場にするな
社民党沖縄県連の宮城一郎幹事長は、「沖縄が本土に復帰してから今年で50年になるが、本当に憲法の権利を求めていた県民が願う復帰だったのか。参院選で信を問いたい」と決意を述べた。
この後、沖縄からズームで参加した山城博治常任幹事が「このままでは沖縄、南西諸島が戦場になり、本土にも拡大する」と危機感を表明して、武力で中国と対抗しようとする岸田政権を批判した。
続いて服部良一幹事長が、参院選に向けた当面の取り組みを提起。「公示予定の6月22日までに火曜日を軸とした党の全国統一行動を6回ほど設定し、さらに選挙区の候補者擁立を急ぎたい」と報告した。
↑勝利のこぶしを上げる、全国連合執行部と比例代表予定候補(3月20日、東京・星陵会館)。
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