評論家の佐高信さんらが18日、参院議員会館で記者会見を開き、「いのちの安全保障確立に向けて非正規社会からの脱却を目指す」ことを理念とするネットワーク「共同テーブル」を先月28日に立ち上げたことを発表した。
会見には、佐高さんをはじめ、清水雅彦さん(日本体育大学教授・憲法学者)、纐纈厚さん(山口大学名誉教授・歴史学者)、杉浦ひとみさん(安保法制違憲訴訟共同代表・弁護士)、白石孝さん(NPO法人官製ワーキングプア研究会理事長)、竹信三恵子さん(ジャーナリスト)、前田朗さん(東京造形大名誉教授)の7人が臨んだ。
佐高さんは発起人を代表して開口一番、「ひどい政治が続いているが、肝心の野党の顔が見えない。私たちの思いと野党がずれている。野党にはっきりとした目鼻立ちをつける運動が必要だ」と訴えた。
佐高さんは、32歳で急逝した詩人・萩原慎一郎の歌集『滑走路』を手に取りながら、「萩原は『非正規という受け入れがたき現状を受け入れながら生きているのだ』と歌った。社会のどん底に追いつめられた若い人の悲鳴が聞こえてくる。しかし、今の野党がこれに応えているだろうか。見逃してきたのではないか」と野党のあり方に苦言を呈し、「野党共闘に深みと厚みが必要だ。運動の裾野を広げたい」と強調した。
共同テーブルの呼びかけ文では、社民党が今年2月の全国代表者会議で「新社会党や緑の党をはじめ、基本政策が一致する多くの政党・政治団体・市民団体と日本を変えるためにネットワークを強化する」と表明したことを受けて、「それを実現するために新たなるムーブメントを起こしたい」と提起している。具体的な姿勢として、①非正規社会からの脱却②憲法理念に基づく米国と中国との等距離の平和外交③脱原発の推進――の3点を挙げている。
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