社会新報

【主張】市民連合と4野党の合意 今こそ市民と野党の共闘で政権交代を

(社会新報2021年9月22日号【主張】より)

 政権交代実現に向け大きな一歩を踏み出した。8日、参院議員会館で、衆院選に向け野党共闘を呼びかける「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)の提言を受け、社民党、立憲民主党、共産党、れいわ新選組の野党4党が共通政策に合意した。

市民連合が各党の間を取り持ち、この場がようやく実現した。4党の党首が署名した共通政策が報道陣に掲げられると、しばらくの間、シャッターを切る音が鳴りやまなかった。

掲げられた政策は、①憲法に基づく政治の回復②科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策の強化③格差・貧困の是正④エネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行⑤ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現⑥権力の私物化を許さず公平で透明な行政を実現する  の6項目。具体的には、コロナ禍に乗じた憲法改悪反対、消費税減税、原発のない脱炭素社会の追求、選択的夫婦別姓制度やLGBT平等法の成立、森友・加計学園問題など安倍・菅政権下で起きた権力私物化の真相究明などが掲げられている。市民連合からは野党に対して、「小異を残して大同に就こう」と呼びかけられた。
 これまで改ざん、隠ぺいを繰り返し、国会ではまともな答弁を避け、コロナ感染が全国に拡大する中、完全に統治能力を喪失した自公政権の下では、人々のいのちとくらしは守られない、生き延びるためには政権交代しかないという、人々の叫びが聞こえてくる。人々は、自公政権とそれを補完する日本維新の会等による政治に対抗する、大きな政治勢力を求めている。私たち野党には、それにどう応えるかが突きつけられている。

9月10日、TBSテレビの「ひるおび!」という情報番組で、野党4党共通政策合意が報じられた。コメンテーターの八代英輝弁護士が、「共産党はまだ暴力的な革命を党の要綱として廃止していない」と、事実と異なる発言を行ない、「よく、そういうところと組もうという話になるな」と批判。デマを流して共産党をおとしめる攻撃であるとともに、野党共闘を目指す社民党・立憲民主党・れいわ新選組への攻撃だ。何より政権交代を望む市民の運動そのものをさげすむものである。衆院選に向け、今後こうした攻撃はさらに強まるだろう。私たちは覚悟を決め、市民と野党の共闘で総選挙を戦い抜こう。

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