(社会新報2022年3月2日号2面より)
「定住外国籍住民の地方参政権を実現する会」の代表で東洋大学教授の金泰泳(キム・テヨン)さんらが2月15日、参院議員会館で意見交換会を開き、定住外国籍住民に地方参政権の付与を求める総務相宛てのインターネット署名1万8741人分を同省担当官に提出した。
実現する会では昨年1月からネット署名サイトChange.orgで署名を集めてきた。現在、日本には、在日韓国・朝鮮人が大半を占める「特別永住者」、国内に10年以上住む「永住者」などの在留資格を持つ人々が約150万人いる。
キムさんは「定住外国籍住民は納税の義務をはじめとする生活上のすべての義務を果たしているが、地方参政権を与えられておらず、自分たちの生活や社会的地位を改善するためのすべがない」と訴えた。そして「少子化が進む日本社会で、日本人がしなくなった仕事を在日外国人が請け負っている。役割に見合う権利を与えてほしい」と指摘し、「日本の多文化共生、ダイバーシティ推進のためにぜひともお願いしたい。これはオールドカマーだけの問題ではなく、新しく日本に住むニューカマーのためにもなる。日本全体の活力にもつながる」と強調した。
キムさんは今夏の参院選比例代表で社民党公認候補として出馬を予定しており、政策の第一に定住外国籍住民への地方参政権付与の実現を掲げている。
参院議員会館での署名提出には、社民党の新垣邦男衆院議員や服部良一幹事長、参院会派「沖縄の風」の高良鉄美参院議員らも同席し、意見交換した。新垣議員は「これは大変重要なテーマだ」と熱いエールを送った。服部幹事長は1995年の最高裁判断で外国人永住者らに地方参政権を与えることを「憲法上禁止されていない」としている点を指摘し、総務省担当官に迅速な対応を求めた。
↑キム・テヨンさん(中央)がネット署名18741筆を総務省の担当官に手渡しした(2月15日、参院議員会館)。
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